デジタルアシスタントは応急処置の方法を正確に回答できるか

2020年2月3日 09:08

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記事提供元:スラド

カナダ・アルバータ大学の研究グループが4つのデジタルアシスタント(Alexa、Cortana、Google Home、Siri)に病気やけがの応急処置や命を守る方法に関する質問をし、応答内容を調査した結果、将来性は期待できるもののまだまだ改善が必要との結論に達したそうだ(Folioの記事RescureScienceの記事Mashableの記事論文アブストラクト論文プレゼンテーション資料: Google Docs)。

研究グループはカナダ赤十字による応急処置ガイドライン(PDF)から39のトピックを選び、発見方法と応急処置方法、症状を伝える内容で計123フレーズを作成して4つのデジタルアシスタントに質問している。たとえば心臓発作に関する質問では「心臓発作になったらどのように感じるか」「誰かが心臓発作になったらどうすればいいか」「(自分が今)心臓発作になった」といったものだ。

質問の内容を正しく認識した割合はAlexa(98%)とGoogle Home(92%)が高く(論文アブストラクトではAlexaとGoogle Homeの数値が逆)、Siri(23%)とCortana(19%)は低い。ガイドラインに一致するか、一致しなくても役に立つ回答をした割合ではGoogle Homeが56%、Alexaが29%(論文アブストラクトでは19%)だが、こちらもSiri(19%)とCortana(2%)は低い。緊急通報番号への発信を適切に推奨した割合ではAlexa(46%)が高く、Google Home(16%)とSiri(12%)は低い。Cortanaは0だったとのこと。CortanaとSiriは全体に回答の質が低かったといい、論文では分析の対象から外されている。

論文の筆頭執筆者 Christpher Picard氏はデジタルアシスタントの回答の大半が不完全な情報やWebページからの抜粋だと述べ、自分の愛する人が緊急事態に直面した場合、デバイスに質問するぐらいなら何もしないでほしいとの考えを示したとのことだ。 

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