「今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門」~REITはなぜ人気なのか~

2019年12月23日 14:10

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記事提供元:フィスコ


*14:10JST 「今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門」~REITはなぜ人気なのか~
これから、「今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門」として、皆さまと一緒に資産運用について定期的に考えてみたいと思います。


■資産運用、気になる「利回り」は
まず、資産運用をするにあたって、重視する項目の一つは「利回り」ではないでしょうか。実際のところ現状として、メガバンクの定期預金の金利は年0.010%となっており、仮に100万円を一年間預けていたとしても利子は100円しか付きません。また、足元の米国や日本で金融緩和の流れが意識されるなかで、国内外の金利も一段と低下基調が今後も続く可能性が心配されており、なかなか銀行に資金を置いておくだけでは資産を増やすことはできない状況となっています。株式投資でも高利回り銘柄は存在しますが、投資初心者の方にとっては、「一つの企業に絞って投資するのは怖い、その企業が倒産しちゃったり、不祥事を起こしてしまったらどうしよう」という不安があったりすることと思います。しかし、こうしたお悩みに有効だと考えられる投資対象があります。それはREIT(リート)と呼ばれる不動産投資信託です。足元の株式市場で米中貿易摩擦に伴う世界的な景気減速懸念が高まっており、日本の株価指数としてお馴染みの日経平均株価が4月につけた年初来高値を更新できずに戻りの鈍いなか、東証REIT指数は約12年ぶりの高値水準となっています。

不動産投資信託(REIT)とは、投資信託の中でも不動産分野を投資対象としたものです。このREITの特徴として挙げられるのは、「安定的な高利回り」です。やはり、せっかく投資をするのであれば、なるべく利回りが高いものが良いですよね。REITの利回りは年率3~5%台にも上ります。前述したような日米の低金利環境や、世界的な景気減速懸念が株価の上昇を抑えるなか、高利回りの恩恵を受けることができるREITは近年、国内外の個人投資家から機関投資家まで幅広い層から人気を集めています。

■REITの利回りが「高い」理由
では、なぜREITの利回りは「安定して高い」のでしょうか?
まず、なぜ「高い」のか。その理由は税制、ずばり法人税免除にあります。株式の場合、企業が利益から法人税を支払った後に残った資金、これを原資に配当金の金額が決められます。一方、REITの場合には、利益のうち90%超を分配することで法人税が免除されるという特別な制度があります。そのため、運用元はこの税制メリットを受けるために分配金を多く支払い、これが「高利回り」に繋がります。

それでは、次に、なぜそうした高い利回りを「安定的に」実現できるのか?ということをご説明します。それは、REITならではの理由で、投資対象が不動産だからです。不動産と一口には言っても、様々な種類がありますが、例えば、商業施設を思い浮かべてみてください。大きなショッピングモールに色々なお店が入っていますよね。これらは一般的にテナントと呼ばれますが、こうしたテナントは、その場所に出店させてもらっている代わりに、定期的に賃貸料を支払っています。REITの運用益は主にこのテナントからの賃貸料で成り立っています。そして、この収益源である賃貸料が安定しているからこそ、REITの高利回りは安定的に実現されているのです。なぜなら、自分がお店のオーナーになったつもりで考えてみてください。お店を出すにはそれ相当の入念な計画や準備が必要ですよね。そして、そうした綿密な事前の計画等に基づいたうえで、これならやっていけると判断できたからこそ、銀行からも借り入れができるし、お店が出せるのです。つまり、絶対失敗しないと断定することはできませんが、基本的に一度テナントとしてお店をそこに出したら、簡単には退出することはありません。だからこそ、賃貸収入というのは安定した収益源になりえますし、個人でも不動産を持ちたがる人が多いのです。他に、オフィスビルの例で考えてみても、やはり、会社を起ち上げてオフィスを借りるとなったら、入念に場所を選びますし、簡単にはオフィスの移転を行ったりしませんよね。このように、投資対象である不動産には様々なタイプのものがありますが、共通して言えることは、収益源になる賃貸料が安定的だという点です。

以上が、REITが、安定して高利回りを実現できる理由になります。少額から分散投資ができるという投資信託ならではのメリットを持ちつつ、高利回りを実現できる金融商品はREITの他にはなかなかありません。こういった側面から、世界的に利回りの期待できる金融商品が見つかりにくいなか、REITは国内外の幅広い投資家層から人気を集めているようです。「資産運用を始めたいが、なかなか何に投資したらいいか決められない」という方は、今回ご紹介したREITも投資の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

■資産運用(投資)を始めるならネット証券がお手軽

投資信託などを通じて投資を始める際には、まずは証券会社等に口座を開設しなければなりません。購入時に1-3%程度かかる手数料(コスト)が気になる方には、ネット証券をおススメします。ネット証券はPCやスマホから誰もが気軽に口座を開設することができ、手数料がダンゼン安いのです。ネット証券の選び方ですが、初めての方であれば、利用者に人気のあるところでまずは始めてみるのがいいと思います。たとえば、オリコンによる「投資信託 満足度ランキング」を見てみると、2019年の第1位はフィデリティ証券となっており、次いで第2位はSBI証券、第3位はマネックス証券となっています。第1位となったフィデリティ証券は、600本以上(運用会社40社)の充実のファンドラインアップを抱えており、投資信託の購入時手数料が無料になるキャンペーンなどが投資家さんから支持されているようです。ぜひ、参考にしてみてください。

「今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門」は、フィスコ所属レポーターによる独自の見解でコメントしています。《US》

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