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日本ボイコットで韓国LCCが危機、自国企業により大きな打撃
金浦国際空港でのエアプサンの看板 (c) 123rf[写真拡大]
19年8月2日、日本政府は韓国を輸出管理の優遇処置が受けられる「ホワイト国」から外す閣議決定を行い、8月28日に施行された。先の半導体材料に続く処置で、韓国国内ではこれに反発して、日本製品不買運動が活発化した。
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8月23日には、韓国政府がGSOMIAの破棄を通告したことにより、日韓の関係は改善の糸口さえ見い出せない泥沼状態に入り込んでいった。
その結果、日本製品の不買運動に留まらず、日本への旅行も自粛ムードとなり、8月の韓国からの訪日客数は前年に比べほぼ半減した。18日の観光庁の発表によれば、8月の韓国人の訪日客数は前年同月と比較して48.0%減の30万8,700人と推計しており、7月の7.6%減から急速に落ち込んでいる。
韓国旅行者の減少を受け、日本側の受け入れ先であるホテル・旅館・土産店などが売上の減少で困惑しているのは事実である。しかし、中国や台湾からの訪日客数は8月としては過去最高を記録した結果、韓国からの訪日客を含めても減少は全体で2.2%に留まっている。
これに対し、実際に大きな影響を受けているのは韓国の航空業界、特にLCCである。
日本のLCCは韓国だけでなく、中国や台湾などにも就航しているため、韓国の日本ボイコットによる影響は限定的である。
一方、主として日本向けに就航している韓国LCCの状況は危機的である。特に日本路線への比重が高いエアプサンは、19年7~9月期の営業利益が前年同期と比べ80%以上減少すると予測されている。
また、韓国LCC1位のチェジュ航空も同期間の営業利益が20%以上はダウンすると見られている。
日本への旅行自粛運動は長期化が予想される中で、一部のLCCでは非常態勢に入ったと言われる。イースター航空では、タスクフォースを構成するとともに、10~12月には無給休暇を実施すると伝えられる。
こうした現象に追い打ちをかけるのが、「ウォン安」である。ウォン安がこれ以上進めば、ドルで決済されている航空燃料や飛行機のレンタル料などが実質的に増加することになり、LCCを含む韓国航空業界の運営は益々厳しくなる。
韓国航空業界にとっては、しばらくは厳しい状況が続きそうだ。(記事:kan1713・記事一覧を見る)
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