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サツドラHD、19年5~8月期は8600万円の赤字 インバウンド低迷など
■売上高は7.2%増も営業利益は赤字へ
サツドラホールディングス(3544)は20日、20年5月期の第1四半期(5月~8月)連結決算を発表。売上高は前年同期比7.2%増の227億800万円と増収だったが、営業損益は500万円の赤字(前年前期は1億2600万円の黒字)、経常損益は1,200万円の赤字(前年前期は11億3300万円の黒字)、最終損益は8,600万円の赤字(前年前期は4100万円の黒字)だった。
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通期予想の変更はなく、売上高は前期比8.7%増の920億円、営業利益は同18.7%減の3億5,000万円、経常利益は同10.9%減の4億円、最終利益は同240%増の1億円としている。
■インバウンドの低調と新社屋建設に伴うコストが要因
北海道を地盤とするドラッグストアチェーン「サッポロドラッグストアー」や、ITソリューションの開発を行う子会社を有するサツドラHD。国内218店舗、台湾5店舗の223店舗を運営している。他社に先駆けITテクノロジーの活用を進めており、自社開発のAIシステムを活用した店舗運営の効率化による業容拡大に努めている。
20年5月期1Qは、地元客をターゲットとしたドラッグストアは好調だった一方、沖縄など訪日旅行者の多い地域での店舗であるインバウンドは、中国の電子商取引規制強化や日韓関係悪化の影響もあり不調だった。また台湾店舗の業績立て直しが必要な状況な他、新社屋建て替えに伴う固定資産除却損による特別損失のため赤字を拡大させた格好だ。
■再編が続くドラッグストア業界で生き残りをかけたIT戦略
19年には業界大手のマツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合に向けた交渉に入るなど、ドラッグストア業界の再編が続いている。インバウンド消費によって業容拡大してきたサツドラHDだが、本業の頭打ち感は明らかだ。その中で取り組んでいるのがデジタルトランスメーションの推進である。
他社に先駆けて、セミセルフレジの導入や、AIカメラを活用したデータ収集および活用に取り組んでいる。19年9月には、店舗に来店客の動きを分析するためのカメラを設置、顧客の動きをデータ化し、最適レイアウトや顧客の商品志向を掴む狙いだ。これらの分析には子会社が開発したAIを活用しており、自社内で一気通貫のモデルを形成している。
■2QはAWLが連結対象より外れ、特別損失が出る見込み
AI開発を手掛ける子会社のAWLだが、20日の決算短信発表と合わせ、AWL経営陣にサツドラHDが保有する株式の一部を売却することを発表。譲渡によって、保有比率が51.6%から14.8%に減少し連結子会社から外れる。
株式譲渡によって、2Qで特別損失8,800万円を計上する見込みだ。現時点での業績予想修正は行わない予定だが、今後修正が行われる可能性があるため会社発表には注意が必要だ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
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