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令和時代の芸能人マネージメントの難しさ
ネット社会というものは、個人個人が情報の発信者になれるという意味で、便利であると同時に、その付き合い方というものに責任を負わなくてはならない。
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使い古された言い方かもしれないが、こうしたことに鈍感であるとどうなるかという見本を、今年の初めから嫌というほど見せつけられてきた。
NGT48襲撃事件からはじまるAKSの対応の酷さ、ジャニーズ事務所とテレビ業界の圧力と忖度の取りざた。のんのマネージャーによる告発。レベゼン地球による炎上商法、そして、話題になっている吉本興業の闇営業問題と事務所の対応……。
なんとなく……でダラダラとぬるま湯のような関係が当たり前になっていた芸能界も、ここは意識改革の必要性に迫られている。
タレントと事務所の関係というのは、様々な形があるだろうとは思うが、基本的には対等なはずである。
親代わり、家族のようなもの……という関係もなくはないだろうが、それでも問題があったときに、きちんと対等に話が出来て、問題を解決するという姿勢が必要になってきている。
NGT48の件は、襲撃事件の前から、その危険性を指摘していた山口真帆さんらの言葉を真摯に受け止めることなく、子供扱い、もしくは部下扱いした支配人、そしてAKS幹部の対応が原因となっているわけであるし、SMAP解散後の「新しい地図」メンバーのテレビ番組出演への冷遇も、亡くなったジャニー喜多川氏の言葉に耳を貸さずに一部の人間の過剰な忖度が招いたものと言えそうだ。
そして、今激震に見舞われている吉本興業の闇営業問題事件も、問題発覚時にしかるべき人間がきちんと話を聞いて対応を練っていれば、ここまでこじれてはいない。
一度ついた「金銭授受はない」という嘘に基づいて会社が動いていることを具体的に本人に直接説明して、そのうえで、その動きをひっくり返す必要性を話し合う場があれば、宮迫氏は告発することはなかっただろう。
デジタル時代だからこそ、逆にアナログな、血の通った関係性、信頼性というものが説得力を持つようになる。説明して、納得するという、ある意味面倒な、地道な作業ではあるが、そこにしっかり時間を取らないと、タレントが事務所を告発するという流れはこれからも変わらないであろう。
そうなると、一人のマネージャーがあまり多くのタレントをマネージメントするという形も、変わらなければならないだろうし、芸能事務所の在り方そのものが変わっていく可能性も大きい。
タレントを減らして、スリム化を進めるのか、あるいはマネージメント要員を増やして企業が巨大化するのかはわからないが、いずれにせよ、今の形のままではいられないということを、会社もタレントも自覚する必要がある。
これは芸人やアイドルだけの話ではない。
どんな仕事であろうと、きめ細かい指示や責任の範囲、所在の説明をすることが求められるだろうし、何か問題が起きたときは、その流れを透明化して説明する必要も出てくる。
阿吽の呼吸、アイコンタクト、以心伝心という、どちらかと言えば美談として語られることが多いキーワードが通用しなくなるのは残念な気もするが、少なくともビジネスにおいては、それもしかたないことなのだろう。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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