補装具の保守・管理をQRコードで容易に、「ぽーさぽーと」販売開始

2019年7月13日 17:55

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使用のイメージ。(画像: ペンギンシステムの発表資料より)

使用のイメージ。(画像: ペンギンシステムの発表資料より)[写真拡大]

 義肢装具メーカーの幸和義肢補装具研究所(つくば市)と、医療向けソフトウェア開発のペンギンシステム(つくば市)は、義肢・装具・車椅子などの補装具にQRコードを付けることで、​トレーサビリティを実現できるサポートシステム「ぽーさぽーと」を15日から販売する。このシステムは、世界初という。

 「ぽーさぽーと」の「ぽー(POW)」は、「Prostheses(義肢)」「Orthoses(装具)」「Wheelchairs(車いす)」の頭文字をつなげたもの。これらをサポートする「ぽーさぽーと」は、補装具が破損したり耐用年数を超えていても、正しいサポートを受けられずに利用し続けている装具難民をフォローするためにうまれた。

 仮に故障などの不具合が起きた場合、利用者は補装具に付いているQRコードを義肢装具士などに送信。連絡を受けた装具士は、専用サイト上に表示される補装具の種別や製作日、製作業者などを確認できる。修理過程なども記録されているため、これにより、補装具のトレーサビリティを実現する。

 補装具メーカーがこのシステムを申し込むと、QRコードを出力するWindows向けソフトと小型ラベルプリンター、テープが送られ、簡単に自社製品にQRコードを貼付することができる。利用者に対する的確なサポートができるほか、自社製品のデータ収集やユーザー管理など、効率的なシステム管理も可能となる。利用者側では、利用している製品のマニュアルなども、専用サイトでダウンロードできる。

 15日から正式な販売となるが、システムの利用料は、初期費用が15万円、月額1万6,000円(価格はいずれも税別)となる。今後は、9月に神戸で開催される「第17回国際義肢装具協会(ISPO)世界大会」を経て、海外展開も予定している。

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