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「7pay」は政府が実施するポイント還元(10月1日)までに復活できるのか?
セブン&アイが満を持して7月1日にサービスを開始したスマホ決済「7pay(セブンペイ)」は、大掛かりな詐欺グループの仕掛けにより、4日早朝段階で約900人の利用者に合計5500万円の被害を生んでしまった。現在は、チャージや新規登録を停止している。既にチャージされた残高は使用可能とのことであるが、1日~3日の間にチャージした人は限られるし、残高は減る一方なので、実際にはほとんど実態がないものと同然であろう。
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11日からはかねて予定されていたスマホ決済サービス3社、「PayPay」「メルペイ」「LINE Pay」による「最大20%戻ってくる!キャンペーン」が始まった。史上初のスマホ決済サービスによる合同の企画は、全国のセブンイレブン2万965店(2019年5月末時点)で実施されている。セブンペイにトラブルが発生しなければ、相乗効果が期待される華々しい企画となっていただろうが、肝心かなめのセブンペイに哀愁が漂っている状態ではスタッフの意気も上がらない。
セブンペイ挫折の原因は公式には「調査中」のようであるが、衆目の一致するところではセキュリティシステムに、常識とされている「二段階認証」が採用されていなかったという”まさか”に尽きるようだ。謝罪会見におけるセブンペイの社長とのやり取りで、「二段階認証」システムを理解していたのかという疑念が深まる状況ではセブンイレブンの旗色は悪い。
先ごろは「24時間営業」問題で、チェーン店の要望に対する初期対応のまずさが厳しく指摘されていたばかりで、セブンペイのセキュリティ対策不備問題が連続すると、セブンイレブン或いはセブン&アイ・ホールディングスの社内システムに共通する問題点を感じてしまう。
「24時間営業は絶対やめない」と社長が言えば、個々のチェーン店からオーナーが決死の思いで「営業時間短縮」を訴えても、一顧だにしない。身内の通夜も早々に席を離れて、レジ打ちをしたというオーナーの話まで伝えられては、社会のセブンを見る目が一変してしまった。
セブンでセキュリティ部門は本流ではないそうだ。責任者にシステムを見る目があったかどうかは定かでないが、結果が全てを物語る。結局、多くの専門家が言葉を失うような、「二段階認証」が採用されていないセブンペイが「7月1日」に予定通り始まってしまった。
早期再開を目指した必死の作業が続けられているだろうが、セブンペイがいつ再開されるのかは不明だ。案外早期の開始を期待する向きがあれば、数カ月という悲観的な意見もある。
セブンにとっては(1)できる限り早く復旧する、と共に(2)2度と失敗しない、という2点が絶対的な条件だろう。世耕弘成経済産業相は9日、政府が10月の消費税増税にあわせてキャッシュレス決済のポイント還元制度を実施することに関して、安全対策が不十分な決済業者には補助金を返還させる旨を明らかにした。
よもや、セブンが補助金の返還対象になることはないだろうが、10月1日までにセブンペイのサービスを再開できるかどうかが、注目されていることは間違いない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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