老後資金2000万円を貯めるための副業戦略とは

2019年6月21日 19:17

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 金融庁の発表した「夫婦共に65歳から30年間生きると、老後資金が総額で2000万円不足する」という金融審議会報告書の試算が、話題になっている。公的年金だけに頼っては、老後の生活が保障されない今、しっかりと自らの力で貯蓄や投資などに力を注ぐ必要がある。

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 しかしいきなりこれだけの額を準備しろと言われても、普通に働いているだけでは厳しいだろう。そこで、この2,000万円という資金を準備するために、どのような手立てが必要なのかを、副業という観点から考えていきたい。

●35歳男性のケースで考えると…

 現在35歳の人がこれから2,000万円の老後資金を準備する場合、年金を受給できる65歳まで残り30年ある。年金受給が始まるまでの間に毎月蓄えるとすると、月に5万5,000円の追加の貯金が必要だ。生活費を切り詰めて準備するにはなかなか厳しい金額である。そこで副業という手立てで考えると、週に1万円~1万5,000円を継続的に稼いでいかなければならない。

●普通に働いてしまうと、自分の首を絞めてしまう

 これだけの金額を常に自らが稼働して稼ぐとなると、厳しいものがある。少なくとも週に5日は本業でフル稼働をしているはずだ。そのなかで週に1万~1万5,000円を追加で稼ぐことを単純な労働や常に実働が必要な副業で稼いでいては、身体や精神が持たない。そこで発想を変えていく必要がある。

●副業×低リスクの投資で、確実に増やしていく

 そこでおすすめなのは、無理のない範囲で行った副業の稼ぎを、年利3%程度を見込めるものに投資等をするという方法だ。わずかな積み重ねではあるが、確実に手元の資金を増やしながら、将来への投資として積み立てていくことが可能となる。

 しかし、投資には低利のものにもリスクがつきものなので、抵抗感のある人がいるだろう。そういう人には、未来の自分への投資という形をおすすめする。自分の技能やスキルを高められると思う教育等に資金をつぎ込むのだ。その学びで得た技能を用いて、高効率の副業に取り組むのだ。

 以上のように、単純に足りない分を、副業で埋めるということではなく、長期的な目線で計画を立て、適切な手段を取ることで確実に目標に達することが可能だ。是非とも力業の副業ではなく、工夫した副業プランをそれぞれ考えていただきたい。(記事:後藤遼太・記事一覧を見る

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