マノエ、黒く変色しないシルバー素材開発 「エクセレントシルバー」発売

2019年6月4日 09:03

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「エクセレントシルバー」のイメージ(画像:マノエ発表資料より)

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  • 「エクセレントシルバー」の拡大写真(画像:マノエ発表資料より)
  • 「エクセレントシルバー」の耐食性研究結果(画像:マノエ発表資料より)

 マノエ(山梨県甲府市)は3日、黒く変色しないシルバー素材「エクセレントシルバー(Excellent Silver)」の企業向け販売を6月より開始すると発表した。宝飾関連企業だけでなく、銀器や銀小物など、シルバー素材を必要とするあらゆる業種への販売を想定するという。販売する素材品目は「Excellent Silver950 」と「Excellent Silver925」の2種となる。

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 シルバーは様々な製品の素材として広く普及しており、アクセサリーやカトラリーといった製品を所有するユーザーも多いだろう。しかし従来のシルバーには、汗などの外的要因により、簡単に黒く変色してしまうという大きな弱点があった。そこを改善したのがエクセレントシルバーだ。

 原料となる通常のシルバー素材(Silver925・Silver950)を溶解する際、同社独自の特殊な製法を用いることで地金密度の微細化が施されている。その結果、高い耐食性と変色への耐性を持たせることに成功した。エクセレントシルバーと一般的なシルバーを顕微鏡で比較してみると、地金密度が大変細かく非常に滑らかになっていることがわかる。

 汗をはじめとする黒ずみの原因物質が表面に付着しづらくなり、結果的に酸化に対しても強い耐食性を獲得しているのだ。JIS B7001に表記されている溶液(塩化ナトリウム・塩化アンモニウム・尿素・酢酸等)を使用した人工汗試験溶液による試験も実施されおり、これまでのシルバー素材と比較して、明確に変色への耐性があることが証明されているという。

 またこの地金密度の微細化は、シルバー特有の美しい輝きに対しても好影響を与えているという。シルバーは可視領域の光の反射率が98%程度と非常に高い素材だが、微細化が施されたエクセレントシルバーはより滑らかで光沢が増している。素材としての使い勝手も一切損なわれておらず、鋳造や鍛造、プレス製造といった、一般的なシルバー製品の製法全てに対応する。

 製造過程で加熱を行った場合でも、エクセレントシルバーの特性は損なわれない。12年もの研究開発期間を経て誕生した、これまでのシルバーとは一線を画す新しい素材となっている。また同社はエクセレントシルバーを使用したジュエリーのOEM生産も受け付けている。

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