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ブルックス ブラザーズ、日本初のランウェイショーを開催 野球とトラッドをミックス
「ブルックス ブラザーズ(Brooks Brothers)」は2019年5月23日、2019秋冬コレクションを披露するランウェイショーを、東京都新宿区にある明治神宮外苑の室内球技場で開催した。本格的なショーを日本で開くのは、今回が初めてだ。記念すべきショーとあって、ウィメンズのクリエイティブディレクター、ザック・ポーゼン(Zac Posen)氏も会場に姿を見せた。
「ブルックス ブラザーズ」の日本初上陸から40周年という節目を記念した特別な企画だ。1979年に旗艦店をオープンした東京・青山エリアに近い神宮外苑を会場に選んだ。ショーはメンズとウィメンズの合同形式で進んだ。
キーモチーフに選ばれたのは「野球」。神宮球場を抱えるこの地区はもともと野球に縁が深い。しかも、「ブルックス ブラザーズ」は野球の日本代表チーム「侍ジャパン」のオフィシャルスーツを手がけている。日本とアメリカは共に野球が盛んで、日米をつなぐ共通点にふさわしい。
野球ユニフォームをはじめ、ベースボールキャップやスタジアムジャケットなどがアメリカントラッドの装いに組み込まれ、スポーティーでアクティブな雰囲気を醸し出した。ポロカラー(ボタンダウンシャツ)やツイード生地など、「ブルックス ブラザーズ」の伝説を物語る代表的なアイテムや素材が1818年の創業以来、200年を超えるヒストリーもまとわせていた。
球技場の青々と繁った芝生がランウェイ。夜のグラウンドを、ナイター試合さながらにこうこうとライトが照らし出していた。ファーストルックは左右で身頃や襟、袖の生地が異なるパッチワーク仕立てのジャケット。モデルはベースボールキャップをかぶり、肩にはバットを担いで登場した。
その後もチルデンセーターとチェック柄パンツの組み合わせや、ポロシャツとスーツ、シャツ&ネクタイとスタジアムジャケットといった、スポーツにちなんだアイテムと、トラッド系の正統派ピースをミックスした装いが相次いで披露。ダブルブレストのスーツルックにも野球帽をなじませた。ウエアやバッグのあちこちに、「B.B.」「1818」という、ブランド頭文字や創業年があしらわれ、アニバーサリー感を印象づけている。
ウィメンズはパンツスーツやダッフルコート、トレンチコートなどのメンズライクなアイテムをフェミニンな装いに落とし込んだ。つやめいたチェック柄生地で仕立てたタキシード風のパンツルックや、きらめきを帯びたスカート・セットアップの上からコートを肩掛けした装いなど、凜々しく強い女性像を描き出した。
ショー終盤ではベルベットで仕立てたスーツや、蝶ネクタイ付きのタキシードなどのフォーマルな装いに機能性を両立させたルックを打ち出した。トラッドが主体のスポーティールックは、伝統を重んじながらも、型にはまらない提案を続けてきた「ブルックス ブラザーズ」の歩みを象徴しているようにも見えた。
クラウディオ・デル・ヴェッキオ会長兼CEOは「我々の日本における長き成功の歴史を誇りに思う。ブルックス ブラザーズはしきたりを尊重し革新を称えるという日本らしい伝統を分かち合いたい」と述べた。
ショーの終了後、フィールドへ迎え入れられたゲストには、ベースボールシャツに身を包んだウェイターがサーブする、ホットドッグやハンバーガーなど、ニューヨークの野球場スタイルのメニューが振る舞われた。201年に及ぶブルックス ブラザーズの歩みの中で、世界でも3回目となった歴史的なショーは、メンズとウィメンズ合わせて61ルックという充実した内容で華やかに幕を閉じた。
■「ブルックスブラザーズ」2019秋冬コレクション
取材・文:宮田理江
ランウェイ撮影:土屋航
■来場ゲスト
※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
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