4月の派遣時給、引き続き上昇 技術職や専門職で高騰中 ディップ、エン・ジャパン調査

2019年5月23日 22:04

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 求人サイトを運営するディップやエン・ジャパンの発表によると、派遣社員の平均時給は引き続き上昇しており、その中でも技術職や専門職などで特に時給が高くなる傾向にあることが分かった。

【前月は】3月の派遣時給、上昇続く 最高時給更新も ディップ、エン・ジャパン調査

■時給、件数ともに前年同月比プラス

 22日、求人情報サイト「はたらこねっと」を運営するディップが4月度の派遣時給データを発表した。3大都市圏(関東、関西、東海)における派遣社員の平均時給は1,477円で、前月比3円減、前年同月比31円増となり、13カ月連続で前年同月比プラスだった。

 同サイトに掲載された求人件数は約12万2,000件で、前月比8.8%減、前年同月比19.0%増と高い水準で推移しているとのこと。求人の傾向として、未経験者も可能な仕事件数が堅調、専門職など高い時給の募集が増加、交通費を支給する仕事件数が増加傾向にあるとしている。

■WEB・クリエイター系やIT・エンジニア系が上昇

 前年同月比で大きく時給が上がった職種では、事務・オフィス系のマーケティング・企画が1,839円(前年同月比:8.0%増、以下同じ)、販売:営業・飲食・サービス系の携帯・家電販売が1,417円(9.5%増)、WEB・クリエイター系のその他WEB・クリエイター系が1,733円(11.7%増)、IT・エンジニア系のSE・プログラマ(制御系)が2,237円(13.0%増)、医療・介護・研究・教育系のその他医療・介護・研究・教育系が1,440円(18.2%増)など。

 反対に時給が下がった職種には、事務・オフィス系の金融事務(銀行・証券)が1,462円(1.3%減)、販売・営業・飲食・サービス系の旅行関連が1,391円(0.9%減)、IT・エンジニア系のSE・プログラマが2,206円(2.0%減)、医療・介護・研究・教育系の薬剤師・栄養士・栄養管理士・医療技術者が1,431円(22.1%減)など。

■「エン派遣」は11カ月連続で前年同月比プラス

 同日、求人情報サイト「エン派遣」を運営するエン・ジャパンが3大都市圏における派遣社員の募集時平均時給レポートを発表した。3大都市圏の4月の平均時給は1,571円で前月比1円減、前年同月比54円増となり、11カ月連続で前年同月比プラスだった。

 専門性の高い事務スタッフを中心にオフィスワーク系の時給が高騰、消費税アップを前に販売促進がピークとなるため展示会やイベントなどの受付業務の募集が増加、国際会議や展示会向けの語学力を有するスタッフの需要が伸びているという。

■看護師・准看護士、インストラクター・講師・教師が大幅増

 前年同月比で大きく時給が上がった職種では、オフィスワーク系の事務的軽作業が1,198円(前年同月比:9.4%増、以下同じ)、営業・販売・サービス系が1,755円(9.3%増)、クリエイティブ系のその他クリエイティブ職が1,922円(6.9%増)、IT系のその他IT系が2,200円(10.7%増)、技術系の研究開発関連が1,939円(9.6%増)、医療・介護系の看護師・准看護士が1,721円(27.6%増)、その他のインストラクター・講師・教師が1,824円(17.2%増)など。

 反対に下がった職種では、オフィスワーク系の金融(その他)事務が1,517円(3.5%減)、IT系のWEB・スマホ系SEが2,572円(1.8%増)、医療・介護系のその他医療・介護関連が1,280円(4.0%減)などとなっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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