京急グループ、生分解性ストローを導入 三菱ケミカル開発の「バイオPBS」

2019年3月26日 08:26

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生分解性プラスチック「BioPBS」を使用したストロー。(写真:京浜急行電鉄の発表資料より)

生分解性プラスチック「BioPBS」を使用したストロー。(写真:京浜急行電鉄の発表資料より)[写真拡大]

  • ストローを提供する各施設に掲出するステッカー。

 三菱ケミカル(東京都千代田区)は25日、同社が開発した生分解性プラスチック「BioPBS(バイオPBS)」を用いたストローが、京浜急行電鉄(東京都港区)と同グループ会社に採用されたと発表した。4月1日から、京急グループが運営する飲食店や百貨店にて使われる予定で、バイオPBSのストローが実店舗で使用されるのは日本初という。

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 バイオPBSは、土中の微生物よって水と二酸化炭素に分解される植物由来の生分解性プラスチックの一つ。ほかの一般的な生分解性樹脂に比べ、高い耐熱性を持ち、繊維などと分子レベルで混じりあう特性がある。

 三菱ケミカルが開発、基本特許を所有しており、製造販売は、タイのPTTグローバルケミカルと共同で設立したPTTMCCバイオケムが2016年より開始している。特性を生かして、農業用マルチフィルムや食品包装材などとして使われている。

 今回、バイオPBSを使ったストローが導入されるのは、京急グループのホテル、百貨店、飲食店など13社68施設。年間約16万本使われるストローをすべて切り替えるという。

 プラスチックストローについては、近年、海に流出したプラスチックごみによる環境汚染や生態系への悪影響が指摘されるようになり、米国のスターバックスや日本のすかいらーくホールディングスが2020年までの全廃を目指すことを表明するなど、紙製や生分解性素材のものへの転換が進んでいる。こうしたプラスチック製品の使用を見直す動きの世界的な広がりを、製紙メーカーや化学メーカーはビジネスチャンスと見て新素材の開発に取り組んでおり、三菱ケミカルもバイオPBSをはじめとする生分解性プラスチックや植物由来プラスチックの研究開発をさらに進める。

 また、京急グループは神奈川県が推進している「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同し、エコバッグを配布するなどプラスチックごみの削減に取り組んでいる。新たに生分解性プラスチックのストローを導入することで、「さらなるプラスチックごみの削減を図りたい」としている。

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