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ウエルシアHD、岡山の金光薬品を子会社化、中国地方進出に弾み
ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングス(HD)は18日、岡山県を地盤とする老舗ドラッグストア金光薬品を子会社化すると発表した。ウエルシアHDは3月から中国地方への進出を始めており、地元の老舗を買収することで出店拡大に弾みをつける考え。
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ウエルシアHDは6月1日付で金光薬品の北山佑二社長ら5人が保有する株式83万6,000株を取得する。議決権の96.6%に当たるが、取得額については公表していない。ウエルシアHDは子会社化が業績に与える影響を軽微としている。
金光薬品は1934年創業の中堅ドラッグストアで、岡山県内に調剤薬局12店舗を含む31店舗を展開している。ドラッグストアの競争激化で苦しい経営を続けているが、2018年3月期は売上高40億2,300万円、営業利益1,600万円、経常利益800万円、純利益700万円を上げた。
ウエルシアHDは関東、東海、関西を中心に2018年11月末現在で1,800店舗を展開、2018年度2月期決算で営業収益6,952億円を上げ、業界トップの位置を占めている。「仁義なきドラッグストア戦争」と呼ばれる激しい競争の中、東京を地盤とするドラッグストアの一本堂を吸収合併するとともに、「ディオール」や「トムフォード」など国内外ブランドの高級化粧品を集めた新業態店を発表するなど、積極的に攻勢をかけている。
中国地方に対しては2月末、島根県に本社を置くジュンテンドーが「サンデーズ」の名称で島根、広島、岡山の3県で展開していたドラッグストア7店舗の譲渡を受け、本格的に進出を始めたばかり。金光薬品の子会社化により、岡山県に拠点となる店舗網が確保され、関西から中国地方にかけての事業基盤がより強固になる。さらに両社のノウハウ共有によって、よりいっそうの経営効率化も図ることにしている。
ドラッグストア業界は国内の人口が減少傾向に入る中、高齢化社会の進行を追い風に店舗数や売り上げを伸ばしてきた。しかし最近は、成長に鈍化傾向が見られ、全国で競争が激化している。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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