関連記事
DiGITAL ARTISAN、3Dプリント活用した新時代のヒールを製作
DiGITAL ARTISAN(東京都目黒区)は15日、3Dプリントを活用したヒール「FORMLESS」を製作したと発表した。デジタル技術を活用しつつ精密鋳造を行うことで生まれたこのヒールは、JSR(東京都港区)とキャステム(広島県福山市)の2社の協力を得て製作され、これまでにない新たな可能性を感じさせるデザインに仕上がっている。
【こちらも】世界の3Dプリンタ市場堅調に拡大、航空や宇宙などの分野で量産化加速
FORMLESSの最大の特徴は、やはりインパクトあるそのヒール形状だろう。このヒールはデザイナーが形を考えるという、一般的な手法と異なるアプローチでデザインされたものだ。
まずソフトウェアが、ヒールにかかる力の向きや強さといった情報を基に、適切に計算されたヒール形状を自動生成する。生成された有機的な形状に対し、CGソフトウェアによる彫刻的な処理をデザイナーが施すことで、この特徴的な造形のデザインが完成するのだ。
作成されたデータは、JSRが代理店として取り扱っている精密造形に強みを持つ最先端のCarbonプリンターに投入され、キャステムによる高精度のロストワックス製法により鋳造される。アッパー部分に使用されている素材は革とネオプレーンだ。
脚の一部のようにジャストフィットするデザインをアッパー部分に採用したことで、着用者は金属のヒール部分の重さを意識することなく、優れた一体感を提供できると言う。デザインもさることながら、最も着目すべき点は製造過程そのものと言える。ソフトウェアを使用して最適な形状を自動生成するということは、このヒールを着用するユーザー専用にデザインが行われるということだ。
デザインと使い勝手において、まさに自分だけのためのオーダーメイドヒールが手に入る。現在はまだプロトタイプとしており、販売の可能性は模索中と言う。DiGITAL ARTISANは「Open artisanal project」と題し、デジタル技術から生まれる、未だ世にないモノを生み出す実験的な試みを続けていくとしている。
スポンサードリンク
関連キーワード