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コンビニのビジネスモデルは転換できるのか? セブンが模索する、次の一手
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機先を制するという言葉がある。相手より先に行動して、その後の戦いを有利に進めるという意味である。セブンイレブンにとって機先を制すべき対象は、人手不足という社会の変化だった。人手不足に端を発した、セブンオーナーの攻勢が勢いを増している。
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コンビニでフランチャイズ契約を結んでいるFC店のオーナーには、24時間営業する義務があり、頭数の確保や人件費の支払いは各FC店のオーナーが責任を持たなければならない。本部には24時間営業をする上でのリスクはないのだ。それどころか、2万店を超える加盟店の深夜営業時間帯に1店舗当たり千円の売上しかなかったことを仮定した場合、個々の加盟店の当該時間帯の収支は全て人件費を含む経費の下敷きで赤字となる。ところが本部は、2万店×千円=2千万円という売上高に料率を掛けたロイヤリティ収入を上げることができる。つまりFC店と本部の利益が、相反しているということだ。
欠品を出さないように多めの発注を勧めることも、賞味期限の到来によって必ず売れ残りが出て、廃棄処分の対象となる。廃棄処分の費用は各FC店が負担し、多めの仕入れを勧める本部は原則廃棄処分の費用は負担しない。「欠品を出さない」ことを大義名分にする本部は、売上の最大化というメリットを手にできる。
FC店のオーナーが本部と結んだ契約に縛られることは止むを得ないが、加盟店契約の際にその後の展開を、全て見通して契約することは不可能だ。契約を勧める立場の本部担当者にとって、セールストークが契約に向けた前向きの話になるのは当然で、失敗事例とか加盟店との紛争問題は聞かれても答え難いのが正直なところだろう。
つまり、オーナーは契約に縛られてから、経営の実態に直面することになる。自己責任と言い切ってしまうことに躊躇を感じる人もいるだろう。
競合するファミリーマートやローソンでは、既にFC店の時短営業の実験や時短営業を始めているが、セブンイレブンは24時間営業の継続にこだわって来た。時給の安い人手が潤沢に集まっていた時代には「開いててよかった!」と言えた24時間営業は、人手不足が続く近年、大きな曲がり角に差し掛かっていたのだ。
75年に24時間営業を始めてから40年以上の期間で積み上げて来たビジネスモデルには、配送問題や食品工場の生産体制も複雑に絡み合っている。簡単に明日から24時間営業をやめますと言えないことは理解できるが、今回のように直営店からFC店に徐々に対象を拡大するような弥縫策は、企業イメージの更なる悪化を招く恐れがある。なにしろ現在でも立地の都合等で、24時間営業になっていない店舗があることは事実なのである。
後手に回らないような対応を短期間で適切にできるかどうかで、今後の企業イメージが形成されるのではないだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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