ポーラ化成工業、肌への花粉付着を抑制する成分発見 花粉皮膚炎の原因

2019年3月7日 16:14

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肌への花粉付着を抑制するメカニズム(ポーラ化成発表資料より)

肌への花粉付着を抑制するメカニズム(ポーラ化成発表資料より)[写真拡大]

 ポーラ化成工業は、花粉皮膚炎の原因となる肌への花粉付着を抑制する天然鉱物由来の粉体を発見したと発表した。

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 花粉皮膚炎は、花粉症の一症状で花粉が肌に付着することによって起こる肌荒れを指す。近年その症状を訴える人が多くなっている。肌のバリア機能が低下した人や、肌が敏感な人は、花粉により肌荒れを起しやすいと考えられている。

 ポーラでは、花粉の肌への付着のメカニズムを静電的な影響と考えて、仮説を検証し、その対策物質を探した。すなわち肌は、衣類などとの摩擦により静電気を帯びやすいため、花粉などの空中の浮遊微粒子を静電的に引き寄せてしまう。そこで静電気に帯電しにくい、極微細な板状の粉体で肌を覆うと花粉付着を抑制できるのでは、と想定し、検証を行った。

 その結果、天然の粘土鉱物に由来の有機変性ヘクトライトに花粉付着抑制の効果があることがわかった。検証実験では、静電気を帯電させた人工皮革表面を人の肌と見立てて、表面に同物質を塗布した場合としない場合で花粉の付着量を測定した。有機変性ヘクトライトを塗布した表面では、花粉付着量を1/3に抑制できることが確認された。

 また、有機変性ヘクトライトを塗布した肌表面は、花粉以外のアレルゲン物質の肌への刺激も物理的にガードすることもわかった。

 このメカニズムは、ポーラ・オルビスグループの敏感肌専門ブランドDECENCIA(ディセンシア)で、肌バリア膜「ヴァイタサイクルヴェール」として採用され、すでにすべてのクリームに添加され、肌の敏感な人たちへの提供が始まっている。今後、ポーラ・オルビスグループ全体で、今回発見された微粒子付着抑制技術を種々の商品、サービスに応用していくという。

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