北九州の井筒屋、本店を全面改装へ 生き残り目指して経営資源を集中

2019年2月26日 21:51

印刷

拡大する時計売り場のイメージ(井筒屋発表資料より)

拡大する時計売り場のイメージ(井筒屋発表資料より)[写真拡大]

 北九州市に地盤を置く百貨店の井筒屋は、小倉北区船場町の小倉本店を3月から9月まで改装し、新規出店、移転など141のブランドを順次オープンさせることを明らかにした。井筒屋グループは山口県宇部市常盤町の宇部店を2018年末に閉店したほか、小倉北区京町のコレットを28日で閉める予定で、経営資源を集中して生き残りを図る。

【こちらも】岐阜の百貨店ヤナゲン、8~9月で店舗閉鎖 物販事業から撤退へ

 小倉本店は地下2階地上8階の本館と、地下2階地上13階の新館から成る延べ床面積約8万6,000平方メートル。本館では売り上げが好調な1階の化粧品ゾーンを増床し、新たに6ブランドを追加して合計30のブランドを展開するほか、6階に北九州市の名産や食を集めた店舗を出し、地域の魅力を内外に発信する。2階の時計売り場も増床され、新たに11ブランドを追加する。

 新館では4階のオーガニックコスメ売り場が増床されるほか、6階にスポーツファッションを提案するコーナーを新設する。閉店するコレットから人気が高い29のブランドを移転し、品ぞろえを充実させる。

 さらに、ドアボーイの配置や得意客の専用ラウンジ新設で高級感を高める。本格的な改装は2014年以来5年ぶりで、投資額は約30億円。井筒屋は改装後、売上高の1割増を目標としている。

 井筒屋は2018年2月期まで9期連続で連結売上高が減少するなど苦しい経営を続けている。このため2018年7月に宇部店とコレット、八幡西区黒崎の黒崎店の閉店を決め、小倉本店と山口県山口市中市町の山口店に経営資源を集中させる方針を明らかにした。

 しかし、黒崎店の閉店について地元から存続を求める声が相次いだことから、1~7階での営業を8月以降1~3階に縮小し、営業を継続することでビル所有者のメイト黒崎と合意した。1階は従来通り食料品売り場、2~3階は収益性の高いブランドを上層階から集める。新契約は2022年5月末までで、その後も営業を継続するかどうかは未定としている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事