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シマウマの模様は虫よけの可能性 米英での研究
●150年来謎とされてきたシマウマの模様
カリフォルニア大学率いる研究チームは、科学誌『プロスワン』にシマウマの模様についての研究結果を発表した。シマウマの模様については、1世紀以上も科学者たちが頭を悩ませてきたという経緯がある。
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その模様については、科学者たちによって多くの仮説が唱えられてきた。環境に溶け込むための偽装であるという説、敵の視覚に混乱を与えるためという説、ほかのシマウマに信号を送るためという説など、さまざまな仮説があった。
今回、カリフォルニア大学が発表した説は、シマウマの模様は虫を除けるために進歩してきたというものである。この説は、すでに2014年にカリフォルニア大学デーヴィス校によって発表されたものを土台としている。実際にシマウマの白黒の縞模様は、アブなどの血液を吸う虫から刺される確率を下げることが明らかになった。とくにアフリカの乾燥地帯では、虫を媒介する致命的な感染症を防ぐ確率が高いのだという。
●シマウマの模様のマントを乗せた馬で調査
アフリカに生息する野生のシマウマに近づき、さまざまな調査や研究を行うことはほぼ不可能に近かった。そのためカリフォルニア大学とブリストル大学では、英国の牧場で孤児になって庇護されていたシマウマや馬を数頭用いて実験を実施。
アブをはじめとする虫が、色や匂いなどいかなる条件によって馬やシマウマに近づき刺すのか、その理由を探るのが目的であった。
●虫の「着地」に見えた相違
実験で放たれたアブやウマシラミバエは、同じ速度で馬とシマウマに向かって飛んでいくところまでは変わらなかった。
ところが、実際に馬とシマウマの体に着地する段階になると、虫の動きに相違があった。馬に対して虫たちは問題なく着地したのに対し、シマウマに対しては着地に対する減速ができず体にぶつかったり、上を通り過ぎたりする様子が記録された。
つまり、シマウマの縞模様は虫たちに対して抑止力の効果があることが判明したのである。一方、研究者が注目した「匂い」については、馬にシマウマの模様を乗せても虫たちは実際のシマウマに対するのと同様の動きをしたことから、理由として排除された。
●謎も残る縞模様による錯覚
研究チームによると、シマウマの模様が起こす錯覚についてはまだ解明されていない点も多いという。遠くからは灰色に見えるシマウマが、虫が近づくと白と黒の縞模様によって視覚を狂わされるからという仮説が立てられている。
カリフォルニア大学では、今回の研究を強固にするために牧場などハエやアブが多い職場で働いている人に、シマウマと同様の縞模様の服を身につける案を検討しているという。
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