関連記事
コラム【アナリスト夜話】:『アクティビスト・フォーラム』始動!(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)
*10:06JST コラム【アナリスト夜話】:『アクティビスト・フォーラム』始動!(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)
1月31日に、「マネックス・アクティビスト・フォーラム」という活動をスタートしました。個人投資家の皆さんも企業に対して声を上げ、企業や株式市場を良い方向に動かしていきましょう!というのが趣旨です。今後、さまざまな情報発信やイベントを行う予定です。
株主提案を受けた企業の数は増加傾向にあり、昨年6月の株主総会シーズンでは過去最高になりました。ただ、なかなか安定株主の壁が厚いのが現状です。
たとえば、みずほFGでは、16年に個人投資家の株主提案が48%の賛成票を集めました。みずほは、14年に、配当を「取締役会で決議できる」と変更しましたが、これを株主総会で決議する形に戻すよう求めたものです。
この提案は、議決権行使助言会社ISSの賛同も得ましたが、必要な3分の2は集められず否決されました。しかし、30%という高いシェアを持つ個人投資家の票がもっと動いていたら、状況は違っていたかもしれません。
米国では、株主総会より取締役会のカバー範囲が広いとされます。しかし、日本と異なり、取締役会の過半数が社外役員となっており、株主総会では役員報酬について株主が意見を言える「セイ・オン・ペイ」という制度があるなど、外部の声が届きやすくなっています。日本のように、社外役員も少なく、株主総会も安定株主に掌握されている現状では、企業を変えていくのは容易ではないかもしれません。
実際、アジアの投資家団体ACGAが昨年12月にまとめたコーポレートガバナンス・ランキングで、日本は、前回の4位から7位に、アジア諸国内での順位を下げてしまいました。制度は強化されても、取締役会の実態が変わっていないなどと指摘されています。
企業と市場を変える最も大きな力を秘めているのは、個人投資家の皆さんかもしれません。今こそ、声を上げていきましょう!
マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:2/4配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)《HH》
スポンサードリンク