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NTT-AT、AIで契約書の内容を自動審査するシステム開発 トライアルを開始
NTTアドバンステクノロジ(以下:NTT-AT)は28日、AIを活用した「自動ドキュメント審査システム」を試作し、トライアルを開始したことを発表した。このシステムでは、自然言語処理技術で契約書の内容を読み取り、機械学習技術で蓄積した審査ポリシーに基づきチェックを行う。これまで2日から2週間ほどかかっていた契約書の審査期間が、このシステムを利用することで当日回答を可能にするという。
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法務などのバックオフィス業務は人手による作業が多いため、効率化は企業の「永遠の課題」と言われてきた。特に近年は慢性的な人手不足により、企業はバックオフィスの効率化に迫られていた。例えば、企業の法務担当者は、契約書の文面確認や社内からの問合せ対応に大半の時間を費やしており、重要案件の審査や契約コンサルティングといった戦略的業務に時間を捻出できずにいた。自動ドキュメント審査システムを開発したNTT-AT自身も受注したSI案件の契約書の審査に多くの時間を費やしており、審査プロセスの効率化が課題になっていたという。これらの課題に対し、社内からの改善提案もあり、今回の開発に至った。
自動ドキュメント審査システムは、対象となるドキュメントをシステムにアップロードすると、事前に登録した「審査ポリシー(判断基準)」に従い契約文書をチェックする。もし、審査ポリシーにそぐわない文書があればシステムが指摘し、審査ポリシーに基づいて推奨する文書を利用者に提案。NTT-ATの社内調査によると、システム導入前は、契約書の審査が完了するまでの所要時間が380分、期間が2日から2週間ほどかかっていたものが、システム導入後には所要時間が60分で当日回答を可能にするなど、大幅な効率化を実現したという。
自動ドキュメント審査システムは現在、NTT-AT社内と先行協力企業で利用されている。今後は、利用者からのフィードバックをもとにシステムをブラッシュアップしながら、SIによる受託開発を主な事業とする企業などに対し、無償トライアルの機会を提供する予定だ。(記事:まなたけ・記事一覧を見る)
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