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NYの視点:円売り持ち増:今週の注目:米中首脳会談、パウエルFRB議長の証言、米雇用統計
*07:54JST NYの視点:円売り持ち増:今週の注目:米中首脳会談、パウエルFRB議長の証言、米雇用統計
短期投機家・投資家ポジションで円の売り持ち高は前々週から増加し、10月初旬来で最大となった。ユーロの売り持ちも前々週からさらに増加。2017年3月以降1年半ぶりの高水準となった。
今週にかけて、引き続き米中首脳会談の行方、パウエルFRB議長の議会証言、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表予定のベージュブック、雇用統計、ISM製造業に注目が集まる。
12月1日〈日本時間2日)に行われた米国のトランプ大統領と中国の習国家主席との夕食会、その後の会談に焦点が集まる。トランプ大統領は「中国は協定合意を望んでいる」としたほか、何らかの協定合意にも「オープン」としながらも、もし、交渉が失敗したら全中国製品に関税を賦課する方針をすでに表明している。米国の経済は順調に成長拡大している一方で、中国経済は関税の影響を受けて、成長減速基調にある。
国際交渉でタカ派として知られるライトハイザーUSTR代表は「米中の夕食会は成功するだろう」と楽観視。また、トランプ大統領も記者団からの質問に、「中国と協定を結べるよう、非常に努力している」としたほか、「明日の習国家主席との会談を控え、良い兆しがある」と、楽観的な見方を示した。期待感も強まったが、トランプ大統領は合意にこぎつける圧力をまったく感じていないと報じられている、予断を許さない状況は続く。
今週はそのほかパウエルFRB議長が議会証言を予定している。パウエル議長は先週のニューヨークエコノミッククラブでの講演で、金利が「中立をやや下回る水準」とタカ派姿勢を緩和したため、FRBの利上げペース鈍化観測が強まった。10月時点では「金利は中立水準に程遠い」と強気だった。証言では、この修正の背景が明らかにされる可能性がある。
クラリダ副議長も利上げを開始した2015年12月に比べて「金利は一段と中立に近づいた」と言及。11月FOMC議事録の中でも、一部のメンバーが「金利は中立に近い」との見解を示したことが明らかになっている。ハト派として知られるカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「米国金利は「中立に近い」」「雇用創出が強くインフレが抑制されているときに利上げをすべきではない」と、述べている。同総裁は2018年のFOMC投票権は持っていない。
12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げはほぼ確実視されつつあるが、会合の材料となるベージュブック(地区連銀経済報告)、政策決定の鍵を握る米雇用統計、また、全米の製造業指数で、果たして利上げを後押しする結果になるかどうかに注目。
ベージュブックで、全米の経済の成長が順調に拡大、物価や賃金の上昇が確認されると、12月の利上げをさらに正当化。また、11月雇用統計では非農業部門雇用者数が10月の+25万人から+20.5万人へ伸びが鈍化するものの、2カ月連続で20万人台を維持すると見られている。失業率も3.7%と、1969年以降49年ぶり低水準を維持すると見られ、やはり好調な雇用市場も12月の利上げを後押しする要因となる。ただ、雇用がピークをつけた兆候も見られ、万が一、予想を下回つた場合は利上げペース鈍化の憶測が強まり、ドル売りが優勢となる可能性がある。
■今週の主な注目イベント
●米国
1日:G20サミット閉会、米国のトランプ大統領と中国の習国家主席との夕食会、その後の会談
3日:クラリダ副議長がブルーンバーグでインタビュー、
カプラン米ダラス連銀総裁講演、ウィリアムズ米NY連銀総裁が米国債市場の構造に関する講演、
ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事講演、
クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演、
11月ISM製造業指数:予想57.9(10月57.7)
4日:ウィリアムズ米NY連銀総裁が記者会見
5日:パウエルFRB議長が経済合同委員会で証言、
FRBがベージュブック(地区連銀経済報告)を公表、、
クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演、
6日:10月貿易収支:予想‐550億ドル(9月−540億ドル)
ボスティック米アトランタ連銀総裁が経済見通しを協議、
ウィリアムズ米NY連銀総裁がマービン・キング前英中銀総裁と討論会
7日:11月雇用統計:予想非農業部門雇用者数:+20.5万人、失業率予想3.7%、
ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が講演
●欧州
3日:ユーロ圏財務相、12月のサミットを控えて、改革に関して協議
7日:ドイツ与党CDU、メルケル氏の後任選出へ
●6日:OPEC会合、2019年の生産策略を協議
●中国
●地政学的リスク
トルコ:
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》
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