旧伊勢丹松戸店、全フロア生かしたショッピングセンター「キテミテマツド」に

2018年11月29日 20:37

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キテミテマツドの開業イメージ(松戸ビルヂング発表資料より)

キテミテマツドの開業イメージ(松戸ビルヂング発表資料より)[写真拡大]

 千葉県松戸市松戸のJR松戸駅前で3月に閉店した旧伊勢丹松戸店のビルに、建物を運営する松戸ビルヂングが新商業施設の「Kite Mite Matsudo(キテミテマツド)」を2019年4月にオープンさせる。全フロアを活用した大型施設で、食品スーパーを核店舗にフードコートやレストラン、物販店など約50店が出店する。

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 旧伊勢丹松戸店が入居していた商業棟ビルは、鉄骨鉄筋コンクリート地下2階、地上11階建て延べ約6万2,000平方メートル。外装と内装の一部を除き、旧伊勢丹松戸店時代の施設をそのまま新商業施設に活用する。

 核店舗は大型食品スーパーを想定し、テナントを募集している。松戸ビルヂングは周辺住民や近隣のファミリー層、共働き世帯を主な購買層と考え、松戸市の新たなランドマークと位置づけている。このため、大型食品スーパー以外に合計約50の店舗を集め、街のシンボルにふさわしい店舗構成とする。隣接する松戸市文化ホールや事務所棟は現状通り運営する予定。

 旧伊勢丹松戸店は1974年4月の開業。売り場面積約3万1,000平方メートルで、ピーク時の1996年度には336億円の売り上げがあり、街のシンボル的存在ともなっていた。しかし、インターネット通販の攻勢や郊外型ショッピングセンターの進出で2016年度には181億円まで売り上げを落とし、3月に44年の歴史に幕を閉じた。

 松戸市は人口が千葉県内3位の約50万人。隣接自治体を含め、100万人の広域商圏を持っている。中心部に当たる松戸駅は1日の平均乗降客数が約30万人あり、千葉県内で利用者が多い拠点駅の1つに数えられる。しかし、旧伊勢丹松戸店の閉店後は買い物客が近隣の商業施設や百貨店に流れ、沈滞ムードが漂っている。

 松戸ビルヂングは現状打開に向け、旧伊勢丹松戸店跡の新商業施設化を急いできた。建物には既に「大型ショッピングセンター来春ここにオープン」の垂れ幕が掲げられ、新商業施設開業に向けた準備が進んでいる。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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