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カゴメ、国際財務報告基準を導入 監査法人も変更 更なるグローバル企業へ
カゴメ【2811】は21日に開催した取締役会で、2019年12月期決算から、国際財務報告基準(IFRS)を導入することを決議した。また、同日開催した監査等委員会において、会計監査人を名古屋監査法人からPwC あらた有限責任監査法人に異動することも決めた。
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同社はトマトケチャップ・ソース類を中心に、飲料・食品に携わる大手食品メーカーである。創業は1899年にまでさかのぼり、1903年に国産トマトソースの製造に成功。1963年には現在の社名となっている。個人投資家との交流にも積極的で、各種イベントを開催し株主を招待している。
同社は「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」という目標を持っている。それをふまえて経営管理品質と国際的な比較可能性を向上させ、さらに海外投資家からの投資機会の拡大を目的に会計基準の国際化を取り決めた。
国際財務報告基準(IFRS)とは、経済の国際化において国ごとに異なる会計基準の不都合を解消するために制度化されたもので、EU諸国を中心に100カ国以上で採用されている。日本でもIFRSの導入を進めているが、現在は任意での適用までとなっている。
IFRSを導入することで、海外投資家への理解度が高まるだけでなく海外子会社との連携が容易になる。また買収や合併(M&A)時に買収価格と純資産額との差額として出る「のれん代」について日本の会計基準とIFRSでは扱いが異なる。日本の会計基準では差額を減価償却して費用として計上する必要があるが、IFRSではのれん代を費用として計上する必要がなくなる。そのためIFRSはM&Aで成長を図りたい企業には有利だと言われている。
一方で、IFRSの会計基準では、買収した企業が想定を下回る業績になった場合、後になって大幅な損失を計上せざるを得ないリスクがある。また、日本の会計基準よりも制度が難解で事務処理コストが増大するリスクもあるとされている。
カゴメの新たな会計監査人に決まったPwC あらた有限責任監査法人は、国際的な監査法人ネットワークを有しており、その専門性や品質管理体制から、IFRS導入後の監査法人として適しているとして変更となった。なお異動予定は2019年3月27日に開催予定の定時株主総会で承認を得た上で正式に就任となる。(記事:福井廉太・記事一覧を見る)
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