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カシオがLCD画面とヘルスセンサー内蔵のリングウォッチ「CRW-H001M-8」を中国で発表 スマートリングの常識を覆す

(World.casio.com)[写真拡大]
カシオ計算機は、LCDディスプレイと各種ヘルスケアセンサーを統合した新型リングウォッチ「CRW-H001M-8」を中国市場向けに発表した。OuraやSamsungをはじめとする主要競合が画面を排する設計を選択するなか、同製品はデュアル電源構造により時間表示とデータ計測の両立を実現している。1,990元(約294ドル/約4万7,300円)で登場したものの、日本を含むグローバル展開の時期や価格は現時点で未定だ。
■競合が排除したディスプレイをあえて搭載
現在市場に存在する主要なスマートリングは、いずれも「画面を搭載しない」というデザイン上の選択を行っている。OuraやSamsungをはじめとする多くのメーカーは、ディスプレイを削ることで軽量化とバッテリー駆動時間の確保を図り、指に馴染むデザインを追及してきた。
しかし、カシオが本日中国で発売した「CRW-H001M-8 Ring Watch」はこの業界の慣習を完全に覆した。価格は1,990元(約294ドル/約4万7,300円、1ドル=161円換算)。ステンレスとセラミックで構成されたリング本体の天面に動作可能なLCDディスプレイを配置し、その下部にフルセットのヘルスケアセンサーを積み重ねている。
指輪本体には心拍数、血中酸素ウェルネス(SpO2)、体温、睡眠解析、歩数計測、消費カロリー推計機能が凝縮されており、スマートフォンを取り出すことなく時刻を確認できる。2026年に約15億5,000万ドル規模に達し、2034年には89億2,000万ドルへ成長すると予測されているスマートリング市場だが、「今何時か」という最も基本的な問いに単体で答えられる主要製品はこれまで存在しなかった。
■ディスプレイ非搭載が主流だった理由とカシオの質量増
スマートリング業界がディスプレイを敬遠してきた背景には明確な理由がある。2025年時点で市場シェア約76%を占め、累計550万台以上を販売した「Oura Ring 4」は、サイズに応じて重量がわずか2.3〜3.3g、最も薄い部分は約2.55mmに抑えられている。ディスプレイ要素を追加すれば必然的にサイズと重量が増し、装着感に悪影響を及ぼすからだ。
CRW-H001M-8の重量は19gであり、Oura等と比較すると存在感は大きい。2024年末に発売された前モデルのディスプレイ専用リング「CRW-001」は16gであり、増えた3g分はヘルスセンサーのハードウェアに起因する。外形寸法は25.3×19.5×6mmと前モデルに近いが、突起したLCDハウジングにより、競合他社が日常装着の許容範囲とみなす基準を超える厚みとなっている。カシオは両方の機能を求めるユーザーがこのサイズ感を容認すると賭けている。
■独自構造でバッテリー寿命の低下を回避
CRW-H001M-8における技術的工夫は、単に画面を付けたことではなく、バッテリー寿命を破綻させずに搭載した点にある。その回答が、ディスプレイとヘルスセンサーを全く別のシステムとして扱う「デュアル電源構造」だ。
Bluetooth通信、光学センサー、振動モーター、加速度センサーを駆動するヘルスケアモジュールには充電式バッテリーが使われ、フル充電で4〜6日間の連続使用、スタンドバイモードで約25日間駆動する。充電はマグネット式PogoピンUSB接続で行われる。
一方のLCDディスプレイは、約2年間の動作が可能な使い切りの別電池で駆動する。7セグメントLCDは極めて省電力であり、同等の表示エリアを持つカラーOLEDやタッチパネルの約1,000分の1の電力(マイクロワット領域)しか消費しないため、コイン電池で長期間駆動できる。ディスプレイとヘルスケア用電源を分離することで、センサーと画面の間で電力を奪い合う懸念を解消した。ユーザーにとっては数日おきの本体充電に加え、約2年ごとに画面用電池の交換が必要になるという独特のメンテナンス運用となる。
■指の内側から高精度に計測するヘルスケア機能
ヘルスケア計測用のハードウェアは、皮膚に直接触れるリングの内側に配置されている。CRW-H001M-8では、センサーと皮膚の間に隙間ができて精度が落ちるのを防ぐため、旧モデルにあったプラスチック製サイズ調整スペーサーを廃止した。サイズはS(9号、内径19.3mm)、M(10号、内径20.1mm)、L(11号、内径20.9mm)の3種類が用意される。
センサーには、医療用パルスオキシメータ等でも長く用いられている光電容積脈波(PPG)技術が採用されている。指先の毛細血管は表面近くに密に存在するため測定に適しており、2025年の『Biomimetics』誌に掲載された研究(約10万人対象)によると、指でのPPG測定は安静時において心電図(ECG)との相関係数がr²=0.996に達し、手首型光学センサー(r²=0.97〜0.98)を上回る精度を示すとされる。
なお、リングが指の上で回転すると光路が変化して測定精度が低下するというスマートリング特有の課題が存在するが、カシオがこれに対しどのような軽減措置を施しているかは現時点で公表されていない。
■計測項目とカシオ伝統の時計機能
ヘルスケア機能としては、心拍数や血中酸素ウェルネスの常時モニタリング、体温測定、睡眠解析、歩数計測、消費カロリー推計、月経周期管理をカバー。ウオーキング、ランニング、サイクリングの3つのスポーツモードも備える。体調の異常通知や着信、メッセージ、アラーム、カレンダーのリマインダーは内蔵の振動モーターで伝達される。専用の「AIZO Ring」アプリ(Android 7.0以降、iOS 13以降、HarmonyOSに対応)を使うことで、詳細なデータ解析やレポートの閲覧が可能だ。
時計機能には、ワールドタイム、ストップウォッチ(1/100秒)、オートカレンダー、時報フラッシュ、高輝度ホワイトLEDバックライトなどが含まれ、月差±30秒の標準的なクオーツ精度を備えている。
カシオにおける指輪型プロダクトの歴史は、1946年の「ゆびわパイプ」まで遡る。2024年の「CRW-001」、2025年のゴールドモデル「CRW-001G-9」を経て、今回のHシリーズでヘルスケア機能を統合した第3世代へと進化を遂げた。
■価格・展開状況とグローバル展開の見通し
CRW-H001M-8は中国において1,990元(約294ドル/約4万7,300円)で発売され、現状では販売およびアフターサポートが中国国内に限定されている。他国での正式な発売日は未発表だ。
価格帯としてはOura Ring 4(299ドル)とほぼ同等である。初代CRW-001が日本で19,800円(当時約128ドル)、米国で120ドルで販売された実績を踏まえると、グローバル展開時には同様の価格水準になる可能性がある。過去モデルが日本での発売後に米国や欧州へ拡大した経緯を考慮すればグローバル展開の可能性は高いと期待されるが、最終的には規制承認や供給網の判断に依存する。
■注目ポイントQ&A
●カシオの新型スマートリングはiPhoneに対応していますか?
はい、対応しています。専用の「AIZO Ring」アプリはiOS 13以降、Android 7.0以降、HarmonyOSに対応しており、Bluetoothで接続します。ただし、現在は中国市場向けの展開となっており、中国国外のアプリストアでの配信状況はカシオから正式に発表されていません。
●現在、画面を搭載しているスマートリングは他にありますか?
2026年7月時点で、実用的なディスプレイと各種ヘルスケアセンサー(心拍数、SpO2、睡眠追跡など)の両方を搭載しているスマートリングはCRW-H001M-8のみです。OuraやSamsung Galaxy Ringなどの主要競合製品にディスプレイは搭載されていません。
●医療機器と比較したスマートリングの心拍センサーの精度はどれくらいですか?
スマートリングは医療用パルスオキシメータと同じ光電容積脈波測定法(PPG)を使用しています。約10万人を対象とした2025年の研究レビューによると、指での測定は安静時において心電図(ECG)との相関係数がr²=0.996と非常に高い精度を示しています。ただし激しい運動時は胸部ストラップ型に比べて信頼性が低下する場合があります。
●日本や米国などグローバル市場での発売予定はありますか?
現時点でカシオからの正式な発表はありません。ただし、過去のモデル(CRW-001など)が日本で先行発売された後に米国や欧州へ拡大した実績があるため、グローバル展開の可能性は高いと見られています。
元記事: Casio Ring Watch Breaks Smart Ring Convention With LCD Display and Health Sensors
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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