ヴァイキングの航海術を支えた秘密は「タール」に スウェーデンの研究

2018年11月22日 11:28

小

中

大

印刷

●技術革新が可能にした領土の拡大

 ヴァイキングは、何世紀にも渡り安定した航海を続けていたことで知られている。スカンジナビアから北アメリカまで到達していたともいわれるヴァイキングは、大西洋をどのように航海していたのであろうか。

【こちらも】猫やスカラベの大量のミイラが発見される エジプトのサッカラで

 この航海技術の秘密が「タール」にあったと発表したのは、スウェーデンのウブサラ大学の研究チームである。防水技術の進化が、ヴァイキングにとって大きな転換点であった。ヴァイキングが航海に用いた船は、「ドラッカー」と呼ばれている。このドラッカーの船体には、何層にもタールが塗られて船体を海水から守っていたのだという。また、ドラッカーに施されていたタールの量は、同時代のほかの地域の船の10倍にもなることが判明している。

●タールの生産のために建設された村や井戸も

 こうしたタールの大量消費に対応するために、ヴァイキングの人々は森林を伐採し井戸を掘り、タール生産のための集落を作っていた。生産されたタールは、港がある沿岸の町に運搬されていた。

 松脂やタールは、古代から船舶の防水のために使用されたことは過去の研究でも明らかになっていた。しかし、長期の航海を可能にしたヴァイキングの船の技術において、タールがどこまで開発されていたのかは不明であった。

 ウプサラ大学のアンドレアス・ヘニウス教授は、タールに関する技術革新なしにはヴァイキングの長期の航海はありえなかったと語る。

●8世紀にタールの大量生産が可能に?

 北ヨーロッパでは、ある時期までタールの生産はあくまで手工業の域を出ていなかった。タールは、マツをはじめとする木材を燃焼した際に得られる年生の液体を原料としている。北ヨーロッパにおけるタールの生産量は、8世紀に劇的に増加したといわれている。そして8世紀以降、ヴァイキングの行動範囲も飛躍的に広がっているのである。

 ウプサラ大学の研究チームは、タールの工業生産化によって各都市や地域を結ぶ道路網も発展し、ヴァイキングの文化そのものが向上したのではと推測している。

関連キーワードスウェーデン

関連記事

広告

広告

写真で見るニュース

  • 新型ソリオ発表会の様子。(画像: スズキの発表資料より)
  • 画像はイメージです。
  • ボルボ「S60」(画像: ボルボ・カー・ジャパン発表資料より)
  • ミニムーン20CD3 (c)  International Gemini Observatory / NOIRLab / NSF / AURA / G. Fedorets
  • SUBARU Labが入るH¹O渋谷三丁目の共用ラウンジのイメージ(画像: SUBARU発表資料より)
  • N-BOX、N-BOXカスタム:発表資料より
  • 新型N-ONE RS(画像: 本田技研工業の発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース