NYの視点:円売り持ち減:今週の注目:米中間選挙、FOMC、米PPI

2018年11月5日 07:33

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記事提供元:フィスコ


*07:33JST NYの視点:円売り持ち減:今週の注目:米中間選挙、FOMC、米PPI
短期投機家・投資家ポジションで円の売り持ち高は前々週から減少した。ユーロの売り持ち高は前々週からさらに増加し、2017年3月来の高水準を維持。

今週は米国で中間選挙、連邦公開市場委員会(FOMC)と重要なイベントが目白押しだ。加えて、今月末に首脳会談を控えた米中貿易摩擦への行方にも引き続き焦点が集まる。中間選挙後には何らかの方針が示される可能性もある。中国では貿易収支や10月Caxinサービス業PMIを発表予定だが、関税の影響で最近の経済は鈍成長減速が目立つ。人民元動向にも焦点が集まる。

中間選挙の結果次第で、トランプ政権の経済政策、規制緩和などが滞り、景気や利上げ見通しに影響を与えかねない。下院では民主党が議席を増やし過半数を奪回、上院では共和党が過半数を維持するとの確率が60%と見られている。上下院とも共和党が主権を維持する確率は30%。民主党が下院の主権を握った場合、トランプ大統領の弾劾を主張している極左派のマキシーン・ウォーターズ氏が米下院金融サービス委員会委員長に就任することになる。銀行などに一層圧力がかかると見られ、株式相場にマイナス材料となる可能性も警戒される。

米連邦準備制度理事会(FRB)は今回のFOMCで、前回9月会合において本年3回目の利上げに踏み切ったのち、政策金利を据え置く公算。声明では12月の利上げの可能性を探る。10月雇用統計で雇用者数が予想を上回る伸びを示したほか、失業率もほぼ50年ぶり低水準を維持。また、賃金も9年ぶり大幅な伸びを記録した。また、U6も低下、労働参加率も予想外に上昇するなど、労働市場のスラックがさらに解消したことが確認されている。労働省が発表する9月のJOLT求人件数でスラックの状況をさらに分析していく。

求人件数は過去最高水準で推移しており、失業者数を上回っている。労働不足が如実にあらわれている。一方で、相変わらずインフレの高騰は見られない。10月生産者物価指数(PPI)は9月から小幅鈍化が予想されている。トランプ大統領の反論にもかかわらず、12月会合での追加利上げがより確実になっていく。

■今週の主な注目イベント

●米国
5日:イラン制裁発効、10月ISM非製造業指数:予想59.1(9月61.6)
6日:9月JOLT求人:予想712.5万人(8月713.6万人)、中間選挙
7−8日:連邦公開市場委員会(FOMC)
:予想FF金利誘導目標2.0-2.25%で据え置き

9日:トランプ米大統領、ポンぺオ国務長官と訪仏、
マクロン大統領と、ロシアのプーチン大統領と会談を予定
ウィリアムズ米NY連銀総裁が講演、
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が討論会参加
10月生産者物価指数(PPI):予想前年比+2.5%(+2.6%)、
コアPPI:予想前年比+2.3%(9月2.5%)

●日本
5日:黒田日本銀行総裁講演・会見
8日:10月30−31日の金融政策決定会合のサマリーを公表

●欧州
5日:バルニエEU首席交渉官、ブレグジットに関して講演
8日:欧州委員会、四半期経済見通しを公表

●中国
5日:10月Caxinサービス業PMI:予想52.8(9月53.1)
7−8日:10月貿易収支、輸出:9月+14.5%、輸入9月+14.3%
9日:10月生産者物価(PPI)、消費者物価指数(CPI)

●地政学的リスク

トルコ:
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》

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