ソニー、複数CMOSイメージセンサーを1つのMIPIポートで処理 世界初の商品化

2018年10月23日 11:38

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CMOSイメージセンサー「IMX418」(写真:ソニーの発表資料より)

CMOSイメージセンサー「IMX418」(写真:ソニーの発表資料より)[写真拡大]

 ソニーは22日、世界で初めて、1つのMIPI(Mobile Industry Processor Interface)入力ポートに対して、独自のデータ送信技術により複数接続を可能とするインターフェースを搭載した、センシング向けグローバルシャッター機能搭載CMOSイメージセンサー「IMX418」を商品化したと発表した。

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 動きのある被写体を歪みなく捉える。それがグローバルシャッターだ。従来のセンサーのライン露光を順次読み出すローリングシャッターでは、読み出す時間的な差が画像に歪み(フォーカルプレーン歪み)を生じさせる。同時露光一括読み出可能なグローバルシャッターは、フォーカルプレーン歪みをなくす。ソニーは2月13日、グローバルシャッター機能搭載のCMOSイメージセンサーを発表、パナソニックも翌14日、グローバルシャッター機能搭載の有機CMOSイメージセンサーを発表。新たなグローバルシャッター開発に、キヤノンも9月27日に加わったことを発表。

 今回の発表は、グローバルシャッター機能搭載のCMOSイメージセンサーを複数用いる(1つのポートで処理可能な)ことで、より歪みのない画像を取り込むことを可能にするものだ。動きのある被写体から歪みのない一瞬を切り取る。

 複数のイメージセンサーを搭載する機器での小型化や低消費電力化に効果を発揮する。

●「IMX418」の特長

 1/3.6型(対角5.0ミリメートル)、1,016×1,016で有効100万画素だ。縦横比 1:1の画角は、インスタを意識しての採用であろうか。

 複数のイメージセンサーを同時露光して撮影したデータを、1つのMIPI入力ポートへ転送。配線数やポート数を削減可能だ。

●CMOSイメージセンサー(ソニー、「IMX418」)のテクノロジー

 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ドローン、自律走行ロボットでの応用を目指す。前後上下左右のカメラの取り付け位置に依存せず、機器の傾きで生じる撮影したい画像情報の欠落を、複数のイメージセンサーで補うことが可能になる。被写体のみならず、センサーを取り付けた機器が動く。このような用途を想定したチップであろうか。

 サンプル価格は、チップが1,500円、チップサイズパッケージが2,000円。10月よりサンプル出荷を開始する。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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