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陶器に残る食材の痕跡から新石器時代の食生活を再構築 トルコの遺跡から
●陶器に残された食物の残留物を分析
トルコのアナトリア地方南部チャタル・ヒュユクの遺跡に残された陶器には、食物の残留物が認められている。ドイツのベルリン自由大学と英国のヨーク大学の研究チームは、最新の分子分析技術を用いてこの残留物の分析を試みた。
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その結果、紀元前7100年から5600年にこの地に住んでいた人々は、豆類や穀類、肉類、そして乳製品も口にしていたことが明らかになった。
●研究者を驚かせた「乳製品」の痕跡
トルコ中央アナトリアにあるチャタル・ヒュスクの遺跡は、紀元前7100年から5600年までの先史時代のものとしては非常に重要なものとして知られている。とくに、農業文化が普及した時代の歴史を語るうえで、大きな位置を占めている遺跡である。
今回分析の対象となったテラコッタは、紀元前5900年から5800年頃のものと推測されている。テラコッタに残った石灰化した残渣を、ショットガンプロテオミクスと呼ばれる解析技術を用いて分析を行った。
そして浮かび上がったのが、羊、ヤギ、牛の乳を使用した乳製品の存在である。乳製品に由来しない動物性タンパク質のものとしては、上記の動物に加えて鹿の肉も確認されている。また、植物性の食物は、オオムギや小麦などの穀類、エンドウ豆やカラスノエンドウなどの豆類が発見された。
特に研究者の関心を引いたのは、乳清にしか見られないタンパク質のみを有する容器が存在したことである。つまり、当時の人々が凝固した乳とは別に、乳清のみを別に保存していた可能性が浮かび上がったのだ。
●技術的には限界がある残留物の分析
今回の調査によって、紀元前6000年にはさまざまな動物の乳を原料に、人類が乳製品を生産していた可能性が高くなった。
しかし、分析技術は当時の食生活全般を網羅するには至っていないという意見も多い。今回使用されたショットガンプロテオミクスによる分析も、参照されたデータベースでは当時の植物はカバーできていない。
研究に参加したマックス・プランク研究所のジェシカ・ヘンディ教授は、将来的に今回の研究を持続するためにはデータベースの拡大は必須、と述べている。
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