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新鮮なビールは泡でわかる?サッポロビールが世界で初めて「泡の色」を測定
ビールをグラスやジョッキで楽しむ際、金色の液体に乗った白い泡は視覚的に重要な役割を果たしている。そんな「ビールの泡」に関して、サッポロビール(東京都渋谷区)が興味深い発見をした。ビールの泡の色は鮮度によって変化し、また、クリスタル麦芽は泡の色を鮮やかにするという。
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■特殊フィルター採用し、「泡の色」を測定
同社は、ビールの泡の色を測定する方法を開発し、わずかな泡の色の違いを客観的な数値として評価した。泡の色を測定する方法の開発は、世界で初めてという。研究では、淡色ビールを様々な条件で保管し測定を行ったところ、新鮮なビールのほうが泡の色がより白く、人間の肉眼で見ても美しく見えることが明らかとなった。
■時間の経過や高い温度でビールの老化が進行
ビールを3カ月間、20度・30度・40度の3つの温度で保管し比較したところ、保管期間と保管温度に比例して、泡の白さが悪化していくことがわかった。白く美しい泡を追求することが、新鮮で美味しいビールにたどり着くひとつの方法であると示されたことになる。
■「クリスタル麦芽」と「黒麦芽」で泡の色調に差異
クリスタル麦芽と黒麦芽で醸造したビールの泡の色を比較したところ、2つのビールの色差(泡の白さ)は同じだった。しかし、クリスタル麦芽で作ったビールのほうが、明度・彩度を表す値が高いことから、両者は色調(鮮やかさ)が異なることが判明。クリスタル麦芽は泡の色を鮮やかにすることがわかった。クリスタル麦芽とは、麦芽の焙煎行程中にメイラード反応(糖とアミノ酸が結合することで起こる変化。褐変反応とも呼ばれる)を進ませる製法で作られる色麦芽の一種。
これらの研究結果は、世界的なビール学会であるBrewing Summit(ブリューイングサミット)にて報告された。(記事:西舘妙子・記事一覧を見る)
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