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【どう見るこの相場】9月期末恒例の中間配当の権利取りイベントで波乱を乗り切る消去法の消去法で低位有配株に出番も
9月相場は、散々のスタートとなった。一貫してトランプ米国大統領のパワハラまがいの辣腕、ディール(取引)にいいように振り回されてきたうえに、やっと国内市場の独自材料が出てきたと思ったら、これが飛んだネガティブ材料続きとなっているからだ。TATERU<1435>(東1)の融資審査書類の改ざん問題は、不動産株や地銀株を巻き込んでさらに横に広がる気配だし、台風や地震による西日本や北海道の激甚災害は、日本列島のインフラの脆弱性を内外に露呈し、市場マインドを萎縮させ圧迫した。前週末には、日米貿易協議に圧力をかけるトランプ大統領の強硬発言も伝えられ、8月末には、上値フシとして2万3000円台が意識されたのに、週明けは、一転して下値フシの2万2000円台割れも心配しなくてはならないと目まぐるしい。
出だしの秋相場は、移ろいやすい「秋の空」通りの推移となっているもので、ならばいっそのこと「陰が極まれば陽になる」の展開も期待したくなる。考えたくはないが陰が極まる「セーリング・クライマックス」に見舞われることになれば、もちろん株価が急落するグロース株(成長株)のリターン・リバーサル買い(逆張り)がもっとも値幅効果が大きいと腕まくりして正解となる。ただそうした男性的な調整は、日本銀行の上場投資信託(ETF)買いやそこそこの企業業績を前提にすれば、シナリオ圏外となり、かといって上値も下値も限定的な膠着相場が続くなようだと「陰が極まる」時期もキッカケの材料も株価水準のいずれもが、まだまだ紆余曲折が予想され、トレンドが自明になるには時期尚早の感は拭えない。そうなると、消去法的にバリュー株(割安株)をターゲットにする次善の投資スタンスも浮上する。折から9月相場は、3月期決算会社の中間配当の権利取りの恒例イベントも重なる。
ただバリュー株は、日経平均株価が、前月8月末に2万3000円台にタッチする場面では、主力の値がさ株の人気に遅れを取り、その癖、9月に入った下押し場面では、主力値がさ株と同様に下ぶれた。そこで消去法にさらに消去法を加える消去法の二乗で、第2、第3のバリュー株に狙いをつけたい。相次ぐ自然災害の復旧・復興関連株も候補株となるが、ここは毎年恒例の中間配当の権利取りイベントも考慮して低位有配株に注目したい。低位有配株は、配当金額が少額で配当利回り的には投資採算圏外のケースが大半だが、直近の四半期決算が増益だった銘柄に絞り込むと業績を上方修正した銘柄や自己株式取得を実施した銘柄も含まれてくる。少額投資資金でリスクを限定して、「トランプ・リスク」乗り切りを試してみたいものだ。
■資源、建設、素材の景気敏感セクターに目立ちみずほFG次第では逆行高も想定内
低位株は、株価が限界価格の2ケタ台に始まって100円台、200円台に低迷する銘柄など数多い。業績は水面下推移、無配継続の銘柄が大半である。TATERUのように連続ストップ安で上場来安値467円まで急落、前週末の東証第1部低位株ランキングで第154位にランクされるケースも出た。ただ、配当を継続し直近の四半期決算が増益で着地した条件でスクリーングすると、銘柄はかなり絞り込まれる。業種的には資源株、建設株、素材株、金融株などの景気敏感セクター株に目立つ。
代表株として牽引役が期待されるのが、みずほフィナンシャルグループ<8411>(東1)で、年間配当利回りは3.9%と東証第1部配当利回りランキングの第64位と第60位の三井住友フィナンシャルグループ<三井住友FG、8316>(東1)と遜色なく、株価推移も今年1月に年初来高値をつけ6月に年初来安値に売られる同パターンとなっており、絶対株価水準だけが同行や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東1)に大きく水を開けられている。今年7月30日に発表した今2019年3月期第1四半期(2018年4月~6月期、1Q)決算の増益率は、2ケタとメガバンク2行の増益率を上回って市場コンセンサスをオーバーしており、配当利回りが、2.95%と高いじもとホールディングス<7161>(東1)とともに、中間配当取りイベントでの動向が注目される。
資源関連株では、住石ホールディングス<1514>(東1)と日本コークス工業<3315>(東1)がノミネートされ、このうち住石HDは、今年7月30日の今3月期1Q決算発表時には、今期通期業績を上方修正した。建設株では、飛島建設<1805>(東1)、不動テトラ<1813>(東1)、OSJBホールディングス<5912>(東1)がマークされ、不動テトラは、今期1Q決算開示時に株主への利益還元方針を総還元性向50%程度に変更して、自己部株式取得も同時発表した。
素材関連では、塩水港精糖<2112>(東1)と日本軽金属ホールディングス<5703>(東1)が該当し、日本軽金属HDの年間配当利回りは、3.36%に達する。このほかインプレスホールディングス<9479>(東1)、北沢産業<9930>(東1)も浮上し、インプレスHDは、今期1Q開示時に自己株式取得を発表し、すでに終了した。
■新興市場株でも配当利回り3%超のケースもあり東証第1部へ市場変更含み株も
新興市場株は、価格帯が、東証第1部株に比べて200円台~700円台へ、PER・PBR評価もやや上方にシフトするのはやむも得ないが、スクリーニングされる銘柄は数多い。決算期が、3月期決算会社以外の2月期・4月期・5月期・6月期・12月期決算会社を含めてコード番号順に列挙すると次の通りとなる。アイティメディア<2148>(東マ)、アルバイトタイムス<2341>(JQS)、総医研ホールディングス<2385>(東マ)、ジェイテック<2479>(JQG)、アドウェイズ<2489>(東マ)、グランディーズ<3261>(東マ)、メディカルネット<3645>(東マ)、ハイアス・アンド・カンパニー<HyAS&C、6192>(東マ)、あんしん保証<7183>(東マ)、NaITO<7624>(JQS)、サマンサタバサジャパンリミテッド<7829>(東マ)、SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478>(JQS)である。
アルバイトタイムスの配当利回りは、3.27%にも達し、今年8月28日に終了した自己株式の立会外分売の分売価格219円が意識されることになる。またアイティメディアは、東証1部への市場変更の形式要件充足のための立会外分売を今年5月に中止し、HyAS&Cも、今年7月に東証第1部への市場変更申請を取り下げたが、なお市場変更の準備は継続中で、材料株思惑を内包する。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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