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温暖化の影響がついに北極「最後の砦」に 最古の氷山が2カ所で崩壊
●史上初、2カ所の亀裂
北極に存在する、最も古くまた厚みのある氷山の崩壊が始まった。2018年以前には起こったことがない現象であり、地球の温暖化の深刻さを伝える事象として憂慮される。
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2018年に入ってから、この氷山に2か所の亀裂が認められた。今年の記録的な猛暑がもたらしたこの崩壊は、衛星画像によって確認されている。グリーンランドの北部に位置するこの氷山は、北極でも最後の砦と呼ばれるほど厚い氷が特徴であった。
●地球の温暖化にも耐えてきた「最後の砦」
衛星画像による北極の調査が開始されたのは1970年代であった。地球の温暖化の影響を受けて、かつては変化がなかった氷の厚さも年々縮小していることが確認されてきた。
その中で、グリーンランド北部沖のこの氷山はその厚さが20メートルを超える場所もあり、温暖化の影響を受けない「最後の砦」であったのである。
ケンブリッジ大学極地海洋物理グループのピーター・ワダムス教授は、今年の春の熱風によって氷山は陸から切り離され、結果亀裂が入ったのではと『インデペンデント紙』に語っている。来春にこの状況が悪化することを危惧する声もある。
●北極の動物生態系に大きな影響を及ぼす可能性も
さらに、最も厚みのある氷山に亀裂が認められたことで、ホッキョクグマをはじめとする北極圏の動物の生態系にも影響を与えることが懸念されている。
ホッキョクグマはアザラシを主食としており、氷を掘ってアザラシの巣穴を襲うという習性がある。そのため、温暖化による氷山の縮小はホッキョクグマの生態を脅かす危険が指摘されてきた。ワダムス教授は、氷山が陸から離れることによってホッキョクグマが狩猟の場を失う可能性があると語っている。それはすなわち、ホッキョクグマの絶滅につながる危機的状況を意味する。
今後、海氷の変化が世界の気候にもどのような影響を与えるのか注目される。
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