MSやユニコード、新元号移行は2000年問題に匹敵する大問題になると指摘

2018年7月30日 23:17

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 2019年4月30日、天皇陛下が退位することにより平成が終了する。5月1日には皇太子が即位しするとともに新たな元号が施行されることになる。国内でも報じられているとおり、休日の移動などに伴うカレンダー製造上の問題や元号表記が基本となっている運転免許証などの問題に加え、国際標準化団体の関心などもあり、この元号の移行は海外でも注目されているようだ。

 4月に書かれたMicrosoftのブログによると、現在は情報化社会が進んでいることから2000年問題と同規模の問題が起きる可能性があるとしている。とくに1年の途中で元号が入れ替わることから、日付フォーマットの変換に問題が生じる可能性がある。時代が変わった後に互換性の問題をテストするのは遅すぎることから、Windows 10 Spring Releaseには、元号移行用のプレースホルダ情報を含むレジストリエントリが含まれているという。それでも元号の発表と施行が同時に行われるのはきついので、早めに新元号を発表して欲しかったとも書かれている。

 ユニコード団体も対応に追われている。日本のコンピュータでは、年号全体を表現するための組み文字「㍻」が使用されている。このためUnicodeは新元号用に新たな組み文字の標準を決める必要がある。新たなUnicodeは2019年の2019年3月5日に公開されることが確定しており、遅延は許されない状況にあるという。対策としてUnicode 12.1の公開を計画しているが、公開後すぐに改訂が必要であること、元号の発表と施行までの期間が短すぎること、人員的な問題から大きなプレッシャーになっているという。またUnicode 12.1はベータ版なしの提供になる可能性が高いとしている(The GuardianMicrosoftUnicodeThe Japan Times朝日新聞QuizKnockSlashdot)。

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