ブランド志向、男性ホルモンが助長

2018年7月11日 21:44

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●「ステイタスシンボル」を希求させる男性ホルモン

 男性が商品の質を考慮してではなく、ステイタスシンボルとして車や時計などの高級品を欲するのは、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が影響していることが判明した。

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 ペンシルバニア大学、仏フォンテンブローのINSEAD、カリフォルニア工科大学によるこの共同研究は、科学誌『Nature Communications』に掲載されている。

●動物の社会では男性ホルモン=攻撃性

 動物の社会においては、男性ホルモンのテストステロンは「攻撃性」を助長させるといわれている。そして、「攻撃性」は動物の社会の中で社会的地位を決定する、と語るのはカリフォルニア工科大学のコリン・キャメラー教授である。

 キャメラー教授によれば、人間の社会もこれと大差ないのだという。つまり、動物社会の物理的的な侵略が、人間社会では消費活動に代わる。いずれの行動も、異性である女性の目を惹きつけるといういう特有性がある。

●18歳から55歳の男性200人以上を対象に行った研究

 研究では、18歳から55歳までの243人が対象となった。この243人を2つのグループに分け、ひとつのグループの男性たちには適量のテストステロンを投与した。もう一つのグループには、プラセボを使用した。

 まず、最初の実験では、質は同等の「ステイタスシンボルとして名の通ったブランド」と「ノーブランド」の商品を1から10のレベルに分類させた。

 次の実験では「高品質」「高級感」「実用性」のいずれかをキーワードにした車やサングラスの広告を提示し、参加者たちが気に入った度合いを1から10のレベルに分類する。

●テストステロンを投与された男性は「高級感」を好む

 いずれの実験においても、テストステロンを投与されたグループの男性たちは「高級感」がある「名の通ったブランド」を好む傾向があることが明らかになった。つまり、高級感や贅沢を強調した広告は、テストステロンを投与された男性たちにより強い説得力があることがわかったのである。

 キャメラー教授は、「動物の雄たちは、社会における支配を確立するために時間とエネルギーを消費する。人間の男性も同様であるが、その手段は衣服や車となる」と結んでいる。

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