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考えなければならないが結論はない「仕事にふさわしい服装」の話
ある会社で「服装の乱れを注意した」という話を聞きました。
業務中は制服着用の会社ですが、暑くなってくるとボタンをあけたりシャツを出したり、着くずす者が出てくるので、それに対する注意だそうです。
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これはある記事で読んだことですが、社内の雰囲気がルーズでゆるんでいたため、これを引き締めるために服装をカジュアルからスーツ着用に変えたというものがありました。そういうやり方は確かにあり得ると思います。
またこれはある会社で聞いたことですが、女性社員が制服導入を希望していて、その理由は通勤時の服装が自由にできるからということでした。とりあえずスーツにネクタイなら何でもいいだろうという男性社員に対して、女性の場合はそんなに単純にはいかないので、そう考える気持ちは理解できます。
特に最近は夏の猛暑で、より軽装での仕事を認める会社が増えていますが、作業効率や省エネ、健康上の問題などを考えれば、それも当然の動きでしょう。
業種や職種による差もあります。ファッション系の会社であれば、自社製品を身につけるということがあるでしょうし、建設現場や工場では、安全上の問題などを考えなければならないところもあるでしょう。
対象とする顧客がどんな人かによって変わることもありますし、例えば謝罪のような場面で軽装という訳にはいきません。
「カジュアルフライデー」といって、オフィスの服装の多様化が始まったばかりの頃は、中高年男性のほとんどがゴルフウェアのような服装で出社してきたり、たぶん同じ店で勧められたと思われるコーディネートで服装丸被りの人が何人もいたりという笑い話がありました。
最近、ゴルフのアメリカ女子ツアーでは、ドレスコードを強化して、胸元が大きくあいたウエアやジョガーパンツなどを禁止し、スカート丈の短いものを制限しました。違反者は罰金が徴収されるとのことです。肌の露出を極力なくし、服装を派手にしないようにする目的です。
また、このドレスコードは「微調整を重ねながら、ファッショントレンドの変化に対応していく」としています。
あらためてこうやって見ていくと、仕事内容に関わらず、仕事中の「服装」が話題に上ったり議論の対象になったりする機会は、意外に多いことがわかります。
そこでの対象範囲は、ダークスーツその他の正装に近いものから、Tシャツと短パンのような軽装まで、とても幅広いものです。
私はこの仕事中の服装について、どうすべきなどという明確な見解は持っていません。どの主張や意見も、それぞれ納得できるものばかりだと思っています。
温度調整という服装の機能の問題もありますし、接する相手との関係性や場の状況など、TPOと言われるものもあります。
私自身は、このTPOを自己流で判断して服装を決めていて、でも迷ったらとりあえずスーツにネクタイ着用かなという感じですが、これが必ずしも正解ではない相手や場所はあると思いますし、TPOは時代とともに変わっていきますから、やはりどうすべきと言えることはありません。
「きちんとすべき派」から「自由でいいでしょう派」まで、本当にいろいろな意見を聞いてきましたが、唯一いえるのは、会社なり部署なりで、「自分たちの基本的な考え方はこれ」というものは決めておいた方が良いということです。
ある会社は「お客様に会える服装」といい、別のある会社は「自分が働きやすい服装」といっていました。ドレスコードを細かく決めている会社もありますが、明確な基準で線引きするということでは、ただ縛るだけではないので、決して悪いことではないと思います。
このように「仕事にふさわしい服装」は、考えなければならないですが、誰にでも共通の結論を出すことはできません。
ただ、時代とともに変化することを踏まえながら、「自分たちにとっての正解」は、ずっと議論し続けることが必要なように思います。
※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら。
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