関連記事
家電リサイクルの再商品化率、法定基準上回る水準で推移
経産省と環境省が2017年度の家電リサイクル実績を公表。廃家電4品目の再商品化率は、エアコン92%、ブラウン管式TV73%、液晶・プラズマ式TV88%、冷蔵庫等80%、洗濯機等90%で、引き続き法定基準を上回る。[写真拡大]
家電リサイクルの処理は引き続き順調に行われているようだ。経産省と環境省は7日、2017年度分の「家電リサイクル法の施行状況及び家電メーカー各社による家電リサイクル実績」に関する集計結果を公表した。指定引取場所における指定4品目の引取り量は増加傾向で、再商品化率も昨年度に引き続き法定基準を十分に上回っている現状だ。
【こちらも】小型家電リサイクル、実施自治体の15.3%で損失発生
かつては、家庭から排出される廃家電製品は一部の金属が回収されるのみで約半分はそのまま埋め立て処理されていた。廃家電製品には鉄、アルミ、ガラスなど再利用可能な資源が多く含まれていること、さらに廃棄物最終処分場の残余容量が減少してきたことから、廃棄物の減量と有用資源の再利用を目的に08年に家電リサイクル法が成立、11年4月から制度の実施がスタートした。
この法律ではエアコン、テレビ、電気冷蔵庫等、電気洗濯機等の4品目について、小売業者に対しては引取が、製造業者・輸入業者に対しては再商品化等(リサイクル)が義務付けられている。さらに、製造業者等が再商品化を行う場合、定められている55?82%の再商品化率を達成する義務がある。
17年度における「指定引取場所における引取りの状況」は、エアコンの引き取り台数は283.3万台で前年比は10.3%の増加である。テレビはブラウン管式が103.9万台で12.2%の減少、液晶・プラズマ式が149.3万台で16.8万台の増加。冷蔵庫等が298.2万台で5.4%の増加。洗濯機等が353.8万台で6.0%の増加となっている。旧式のブラウン管テレビを除いて全ての品目で引取り量は増加している。
家電リサイクルプラントに搬入された廃家電の再商品化率は、「エアコン」が92%で法定基準80%を12ポイント上回り、「ブラウン管式テレビ」は73%で基準55%を18ポイント上回り、「液晶・プラズマ式テレビ」が88%で基準74%を14ポイント上回り、「冷蔵庫・冷凍庫」は80%で基準70%を10ポイント上回り、「洗濯機・衣類乾燥機」が90%と基準82%を8ポイント上回る実績となっており、昨年度に引き続き全品目で法定基準を上回る再商品化率が達成されている。
フロンの回収状況については、エアコンの冷媒フロン類が約1835トン、冷蔵庫・冷凍庫の冷媒フロン類が約183トン、洗濯機・衣類乾燥機の冷媒フロン類が約25トン、冷蔵庫・冷凍庫の断熱材フロン類が約280トンという実績であった。循環型社会の実現に向けて家電リサイクル制度は順調に機能しているようだ。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・次世代パワー半導体を巡る動きが活発化。企業の協業、共同開発など相次ぐ
・急成長するスマートスピーカー市場。その「中身」には日本メーカーの技術も
・電機メーカー大手の業績、明暗分かれる
・テレビ市場急拡大、4Kテレビ・8Kテレビの今後と課題
・冷蔵庫や洗濯機、高くても売れる白物家電の秘密
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
関連キーワード