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ヨーロッパでプラスチック製品大幅削減の動き
●プラスチック削減に向けた野心的な措置
欧州委員会は5月末、ヨーロッパの海洋廃棄物の70%を占めるといわれるプラスチックの大幅削減のために動き出した。
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海を汚染するプラスチックの主要な10商品には、新しい規則がかけられる。つまり、綿棒、プラスチック製のカトラリー、皿、ストローは使用禁止、また2025年までにプラスチックの飲料ボトルの90%を回収するとしている。さらに、整理用ナプキンやウェットティッシュについてはその廃棄のしかたについてラベルに記載される予定となっている。
とはいえ、この規則案の対象となったのは、代替が容易に見つけられる使い捨て用の商品に限られている。有効な選択肢がない商品については、生産や使用を軽減するという表現にとどまっている。
●まずはプラスチック容器の安易な無料配布を停止
EU加盟国は、プラスチック削減に向けて具体的な動きが求められている。それぞれの国は国レベルの削減目標を設定し、まずプラスチックの皿、カトラリー、コップの使用を減らす。プラスチックの代替となる商品の生産・販売強化に加え、使い捨てのプラスチックの無料提供を停止する方向である。
●生産者にも課せられるプラスチック削減の規制
さらに、プラスチック製品の生産者にもさまざまな義務が課されることになる。
廃棄されるプラスチックの管理やリサイクルの受託、スナック菓子などの包装やプラスチック容器、ウェットティッシュ、風船、買い物の際に配布されるプラスチック袋の使用削減について世論を喚起することも求められている。そして、環境に悪影響を与えない代替品開発のためのイニシアティブをとることも想定されている。
●漁業関係の用具にもプラスチックが
海岸に廃棄されるプラスチックの27%は、漁業関係の用具が占めている。このため欧州委員会は、漁業に従事する人だけではなく、漁業関係の用具の生産者にも責任制度を導入し規制の枠組みを完成させるとしている。用具の生産者は、自社製品が廃棄されて港湾施設に回収される際の輸送費用、廃棄のための費用を負担することが、法律で義務づけられる予定である。
●プラスチック削減がもたらす環境負荷の軽減
今回欧州委員会が提案した事案が実現すれば、環境や経済にも大きな影響を及ぼすといわれている。
CO2排出量は340万トンも回避できることが予測される上、2030年までに環境への被害は220億ユーロ軽減されるという。
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