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Webマーケティングの課題は?「経営者の理解」「人材確保」
フルスピードがWebマーケティング担当者にアンケートを実施。Webを活用した顧客獲得施策に関する悩みは「上司・経営者の理解不足」が最多、以下「人的リソース不足」、「データ、ノウハウ不足」など。[写真拡大]
AIやビッグデータ、IoTなどによる急激な産業社会の変化はダボス会議によって第四次産業革命と名付けられた。AIやビッグデータが企業広告、マーケティングの世界を大きく変えることは間違いない。そこでは統計数学のモデルが駆使される。当然、企業戦略の遂行のためにはこれらの分野に精通した担当と企業内の関与人の十分な理解が必要だ。
日本は、少なくとも先進国の中では、これらの分野に最も弱い国だ。既にIT革命以降、Webマーケティングの世界では統計数学的手法を用いるのは常識だ。しかし未だ日本の企業ではこれらの人材も組織内の理解も十分確保出来ていないようだ。
フルスピードがBtoB向けの顧客獲得施策を行っている企業の広告・マーケティング・広報・企画の担当者を対象にアンケートを実施した。
Web担当者が顧客獲得施策を実施する際に「足りない」と感じるものを質問した結果、トップが「上司の理解」で35.5%、次いで「経営者の理解」が32.8%、「人材(リソース)」が31.9%、「自己の専門知識」が29.0%、「予算」が25.9%となっており、経営層や社内のメンバーの理解が足りず、予算・人材確保も難しく、自己を含め十分な専門知識を持つ者が社内にいない現況をうかがわせる。
「社内にWebを介した顧客獲得戦略の方法や内容について詳しく相談できる者はいるか」という質問に対しては、「全くいない」が9.7%、「あまりいない」が40.7%で最も多く、「いる」が31.2%、「具体的なアドバイスをもらっている」10.6%となっており、約半数の50.4%が「相談できる者もいない」と答えている。
フリーコメントでの回答で具体的な悩みを見ると、「予算がない、足りない、少ない・コストがかかる」、「他部門との連携ができていない」、「経営層の理解が進まない」、「インターネット広告の効果が見えにくく、社内での理解を得られないことが多い」、「顧客データ不足のため、ターゲティングができていない」などが多くなっている。
AIやビッグデータを用いたマーケティングを行う場合、具体的な標的顧客と財務数値の目標値を定めなければ意味が無い。また、現況でもそれは可能である。しかし、そのモデリング能力をもった人材をなかなか確保出来ていないようだ。新しい時代に対応すべく体制を整えたくても経営層や社内のメンバーの理解が得られず十分な予算が確保出来ない実態がうかがえる。このままでは第四次産業革命の中、日本産業だけが取り残されてしまう。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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