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三菱電機、家電用新型JCモーターを開発 体積36%減 効率30%向上
三菱電機は18日、家電製品に搭載されるブロアーモーターにて、現行品比で体積36%減の小型化、効率30%の向上を達成し、毎分12.5万回転の高速回転を実現した高性能ブラシレス DC ブロアーモーター「JC(Jet Core)」を開発したと発表した。
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電気掃除機など家電でのコードレス化が進む。それを支えるのはリチウムイオン電池の高性能化とモーターの小型・高効率・ハイパワーだ。
モーターは、回転子(ローター)と、そのローターの外周を環状に囲んだ固定子(ステーター)で構成。ステーターは、鉄心と巻線(コイル)で構成されるが、このステーターを独自のY型分割鉄心構造と最適化し、小型化と高効率化を達成。この構造の原型は、三菱電機が1993年に開発した、「ポキポキモーター」の応用だ。
●JCモーターの特長
ステーターを4つの歯(ティース)に分割。そのティースをY型にすることで、狭いスペースでも太い銅線を高密度に巻きこむことが可能にして小型化を達成。
小型化は高効率化にも貢献する。太い銅線の高密度化は、銅線に電流が流れるときに発生するエネルギー損失を低減する一方、磁路の長さの短縮にも繋がり、鉄心に磁束が流れるときに発生するエネルギー損失も低減。
さらなる高効率化のためには細かい制御が必要だ。送風部の動翼が高速で回転すると翼面の空気の流れも高速になり、高速で動く空気は翼面に沿って流れにくくなる気流剥離が発生。動翼の形状を最適化し気流剥離を抑制し、空力的エネルギーの損失を低減する。
これにモーターの電気的な制御も加わる。モーターを正弦波電流で駆動することにより、電流の急峻な変化や歪みを抑制し、鉄損を低減した。
これら対策により、体積36%減の小型化、効率30%の向上を達成した。
●DC ブロアーモーター(三菱電機、JCモーター)のテクノロジー
小型化と高効率化に貢献するY型分割鉄心構造に加えて、業界トップクラスの毎分12.5万回転の高速回転でハイパワーを実現。
遠心力を軽減して回転を高速化できる小径ローターを採用。そのために、強磁力のネオジム系プラスチック磁石とシャフトを高精度に一体で成形。さらに、軽量で高強度な部材である炭素繊維材料を採用し、ローターの強度を高めた。
小型・高効率・ハイパワーのJCモーターは、家電のコードレスを加速する可能性を秘めるが、エネルギーの高効率化により魅力を感じる。家電のモーターが30%効率化されれば、環境と家計に優しい家電が誕生するだろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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