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米MIT、心の声を読み取るウェアラブルデバイス「AlterEgo」開発
headless曰く、 米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが、心の声を読み取るコンピューターインターフェイスを備えるウェアラブルデバイス「AlterEgo」を開発したそうだ(MIT News、The Verge、SlashGear、Guardian)。
AlterEgoは脳波計などを使用する脳コンピューターインターフェイス(BCI)とは異なり、顔に配置した電極を用いて心の中で言葉を発する(サイレントスピーチ)際に変動する神経筋の信号を読み取る仕組みだ。また、これまでに開発された精度の高いサイレントスピーチインターフェイスでは実際の発話と同様に口を動かす必要があるのに対し、AlterEgoでは意図的に口を動かす必要がない。3月のACM IUI 2018で発表された論文(PDF)では電極が顔の各部へタコの足のように伸びていたが、現在のプロトタイプではあごに当てるパッドに電極がまとめられている。
研究ではおよそ20の語彙に絞り、加算・乗算問題やチェスの駒の動きを心の中で言った時の信号をニューラルネットワークで分析し、特定の信号と言葉の相関関係を調査。10人の被験者による実験では、計算問題について各自の神経生理に合わせるためのカスタマイズ時間を約15分間取り、続いて計算を90分間実行したところ平均的な読み取り精度は92%だったという。研究者が自分に合わせてトレーニングしたシステムの精度はさらに高いそうだ。
研究グループでは現在、さらに複雑な会話についてデータの収集を進めているという。AlterEgoは骨伝導ヘッドフォンが組み合わせられており、人と会話している途中で話の腰を折らずに何かを調べる、といった用途が想定されているようだ。システムの開発を主導したArnav Kapur氏は、知能拡張(intelligence-augmentation: IA)デバイスを作りたいというのが動機だったと述べている。
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