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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆連休明けNYは債券買いから入る◆
*09:50JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆連休明けNYは債券買いから入る◆
〇米景気減速懸念、債券買いから入る〇
NYは未だ荒天が続いているようで、株式は波乱の再開となった。 トランプ貿易政策の不透明性と大型ハイテク株への懸念が重石と なり、3月末のドレッシング的部分が剥落、ないしは期替わりで 換金売りから入ったと言うことであろう。
出鼻を挫いた統計が二つ。3月ISM(米供給管理協会)製造業景 気指数が59.3、前月の60.8、市場予想60.0を下回った。新規受注 指数の低下などが要因で、価格指数は78.1、前月の74.2から上昇 した。機械メーカーを中心に、「高関税導入がパニック買いを引 き起こし、短期的な価格上昇につながった」と報告されている。 サプライチェーン全体への影響が明らかになるには数週間が必要 と見られている。
もう一つは商務省発表の2月建設支出。年率換算で前月比+0.1%、 市場予想の+0.5%を下回った(前年同月比は+3.0%)。公共部門 が-2.1%、とりわけ連邦政府が-11.9%となったことが響いた。予 算逼迫が原因と見られ、トランプ大統領が「中間選挙以降」と述 べたインフラ計画への期待が一段と遠のいていると見られる。 減税とインフラ再構築は景気の両輪と見られてきた。
米バデュー大学は先週末、中国が米国産大豆に高関税を科した場合、 経済的損失は年間17-33億ドルに達するとの調査結果を発表した。 米大豆輸出協会の依頼で調査した。中国にも同等かそれ以上の影響 とした。鉄・アルミ高関税では、ブッシュ政権の2002年の輸入制限で、 鉄鋼価格の値上がりなどで20万人の雇用が失われたとされ、今回も ヘリテージ財団が「鉄鋼の雇用増3.3万人、鉄鋼消費業界で17.9万人 の雇用減(差し引き14万人雇用喪失)」と発表した。
米長期金利は10年債は一時2.726%、30年債は2.9666%。「米経済は 3%台の金利に耐えられるのか」との命題が燻り、今のところ、耐えられ ない、との見方になる。早くも週末雇用統計へのポジション調整の面が なくもない。
つれて、ドル安基調。昨日の日銀短観は、マズマズとの評価が多いよう だが、一言で言えば、「円高リスクを織り込めていない」。
ただ、一本調子で展開するとは思われないので、ボックス圏内の綱引きが 続くと想定される。
以上
出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(18/4/3号)《CS》
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