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淡水に生息するウミヘビ「カワウミヘビ」、沖縄で国内初の発見
飼育中のカワウミヘビ。(画像:沖縄美ら島財団総合研究センター発表資料より)[写真拡大]
沖縄美ら島財団総合研究センターは、新谷哲也氏とその子息である新谷隼平氏が発見・採集し、標本化されたウナギに似た魚が、日本では初めて発見されるウミヘビであることを確認、これに「カワウミヘビ」の和名を与えて発表した。
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ところで、いま「ウミヘビなのに魚?」と違和感を持たれなかっただろうか。であるとしたらその違和感はおおむね正しい。一般的に知られているウミヘビは爬虫類である。爬虫類であるが海に住むという種で、そのままウミヘビという。正確な学名はHydrophiidae。
であるが、実は魚類ウナギ目に属しウミヘビと呼ばれている一群の生物もいる。Hydrophiidaeとは見た目は似ているが遺伝的には全く別のグループであり、Ophichthidaeという学名をもつ。今回発見されたカワウミヘビはこちらに属するものである。たいへんにまぎらわしい話であるが、顔が蛇に似ているからということでこういう名前が与えられているらしい。
さて、今回発見されたカワウミヘビであるが、様々な分析を行った結果、Lamnostoma mindorum (ラムノストマ・ミンドラム)というOphichthidaeの仲間であることが分かった。これは非常に珍しい生き物で、もともとフィリピンで2カ所、ニューギニアで1カ所、台湾で2カ所しか生息域が確認されていない。今回発見された沖縄県名護市源河川は6カ所目の発見場所であり、同種の生息北限記録ともなる。また、日本でウミヘビ科魚類が発見されたのはこれが初めてである。
なお、研究に関する詳細は、First Japanese record of the Mindoro snake eel Lamnostoma mindorum(Actinopterygii: Anguilliformes: Ophichthidae) from the Ryukyu Islandsと題され、Fauna Ryukyuana誌に掲載された。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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