NYの視点:円売り持ち大幅減:今週の注目:貿易戦争や米政局の行方、米Q4GDP、PCEコア

2018年3月26日 07:44

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記事提供元:フィスコ


*07:44JST NYの視点:円売り持ち大幅減:今週の注目:貿易戦争や米政局の行方、米Q4GDP、PCEコア
短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前々週から大幅に縮小した。円の売り持ちが大幅に減少したため、円の上昇も限定的になる可能性がある。

今週30日、米国、欧州などほとんどの市場がグッドフライデーで休場となるため、調整色の強い展開が予想される。交渉の行方を睨みつつ、引き続き貿易戦争や米国のタカ派政権の行方を睨んだ展開になると見る。

トランプ米大統領はティラーソン国務長官に続いて、ホワイトハウスの外交・安全保障政策の取りまとめ役だったマクマスター大統領補佐官(国家安保担当)を事実上更迭。予想されていたものの、さらなるハイレベルスタッフの交代も警戒される。また、国務長官の後任ポンペオ前米中央情報局(CIA)長官や大統領補佐官後任、ボルトン元国連大使の両者とも対外強硬派、タカ派として知られている。トランプ大統領が23日、署名した歳出法案でも防衛費増強が優先したため市場ではトランプ政権がタカ派に傾斜し、地政学的リスクが上昇するとの懸念も浮上している。

また、米国の金融政策では10−12月期国内総生産(GDP)確定値に注目が集まる。また、2月PCEコアでインフレ動向を探る。前年比では+1.6%と、1月+1.5%から上昇が予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)は先週開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り追加利上げを決定。緩やかに利上げを継続する方針を確認した。今後の経済指標やFRB高官の発言で、2018年の利上げが果たして3回にとどまるかまたは、4回になる可能性があるかを探る。ドルの下値も限定的になると見る。

■今週の主な注目イベント

●米国

26日:メスター・クリーブランド連銀総裁が金融政策に関して講演、
ダドリーNY連銀総裁、商工会議所で金融規制に関して講演、
クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演
27日:ボスティック米アトランタ連銀総裁がアトランタで経済政策に関して講演
28日:10−12月期国内総生産(GDP)確定値:前期比年率予想+2.7%(2.5%)、
卸売り在庫ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演
29日:2月PCEコア:予想前年比+1.6%(1月+1.5%)、
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が経済見通しに関して講演

●欧州

26日:欧州連合(EU)、英国、英国離脱後のアイルランド国境に関し交渉

●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》

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