米ハンフォード核施設で発生の被曝事故、監視用エアモニターに原因

2018年3月16日 15:54

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 昨年12月、米ハンフォード核施設内にあるプルトニウム工場の解体時に、労働者が少量の放射性物質を吸い込む事故があったという(APTri-City HeraldSlashdot)。

 米ハンフォード核施設は、第2次大戦から冷戦時代にかけて米国の核兵器に使うプルトニウムを生産した施設。長崎に投下された原子爆弾用のプルトニウムもここで作られたものだという。現在は5千万ガロン以上の放射性廃棄物と有毒廃棄物が置かれ、米国内で最大級の核廃棄物の処理場となっているが、核廃棄物の処理などで事故も複数発生している。

 AP通信などの報道によれば、今回の事故で少なくとも12人以上の労働者が被爆したとみられている。原因は空気中の放射性物質をリアルタイムで監視するモニターが汚染を検出できなかったためだという。請負業者のCH2M Hill Plateau Remediationが提出した報告書によると、6月に発生した事案では警報が鳴りエアモニターは機能していた。しかし、12月の事故では検出できなかった。関係者はエアモニターに頼りすぎだった。また、警報音を含まない汚染事象への対応が雑だったともしている。

 放射性物質は、解体区域をはるかに超えた場所でも発見された。数か月にわたって採取された空気試料を分析した結果、一般市民が通るような場所でも微量の放射性物質が検出されたという。

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