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ワインに含まれるポリフェノールは虫歯の予防に有効 スペインの研究
●ワインに含まれる2種類のポリフェノールの効能
スペインの国立食品科学研究所(Instituto de Investigación en Ciencias de la Alimentación)が科学雑誌「ジャーナル・オブ・アグリカルチュアル・アンド・フード・ケミストリー」に発表したところによると、ワインに含まれる2種類のポリフェノールは口腔内の病原性細菌を排除し、虫歯や歯周病を予防するという。
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●とくに赤ワインが有効
研究チームを率いたマリア・ヴィットリア・モレーノ=アリバス教授によれば、ワイン、とくに赤ワインに含まれるポリフェノールは、虫歯や歯肉の炎症を引き起こす細菌に直接作用し口腔内の衛生の保持に役立つとしている。
抗酸化作用があることでよく知られているポリフェノールであるが、分子レベルでこの物質が歯や歯肉をどのように保護するのかが今回の研究テーマであった。
●注目された2種のポリフェノール「コーヒー酸」と「p-クマル酸」
注目されたのは、コーヒー酸とp-クマル酸というふたつのポリフェノールである。
歯垢や虫歯、歯周病の原因となるストレプトコッカス・ミュータンスやポルフィロモナス・ジンジバリス、フソバクテリウム・ヌクレアタムといった細菌に対して、この2種のポリフェノールは非常に有効な働きがあることが判明した。
歯肉の組織細胞を使った実験において、コーヒー酸とp-クマル酸は細菌が歯肉の細胞に付着するのを防ぐ作用があることが明らかになったのである。
●経口プロバイオティクスとの組合せでさらに有効
また、これらのポリフェノールは経口プロバイオティクスの一種である「Streptococcus dentisani」と組み合わさるとさらに病原体に対して有効であるという。
研究チームは、口腔内でポリフェノールの消化が始まる際に形成される代謝物質が原因で、このような効果があるのではと推測している。
モレーノ=アリバス教授によれば、地球の全人口の60~90%が虫歯や歯周病を患っており、今回の研究が自然の成分による薬品の開発に役立つのではといわれている。
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