インドで38万5千年前のものと推測される石器が出土 人類の歴史に影響も

2018年2月5日 07:55

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●人類の進化の歴史が変わるかもしれない発見

 インドで、38万5千年前のものと推測される石器が出土した。この種の石器を使っていたといわれるネアンデルタール人をはじめとするヒト属は、38万5千年前にインドのあたりには生息していた足跡はない。高度な技術を有する文化的要素の発見は、170万年前にアフリカから世界各地に移動した人類の移動の歴史に影響を与える可能性が出ている。

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●発見されているのは現在のところ石器のみ

 ヒト属の文明の存在を示唆すると思われる石器が発見されたのは、インドのタミル・ナードゥ州チェンナイ近くにあるアッティランパッカム遺跡であった。この石器の発見により、インドにはこれまでの説よりもかなり早い時期に中期旧石器時代の文明が存在していた説が浮上してきた。

 しかし、石器が発見された付近からはヒト属の骨などはまだ見つかっていない。そのため、アフリカから150万年以上も前に移動してきた原人によって発達した石器であるのか、あるいはインドにたどり着いた現生人類によってもたらされた石器であるのかは不明である。もし後者である場合、アフリカから現生人類が各地に移動した年代を書き換えなくてはならない必要がある。

●石器の特徴は中期旧石器時代の技術

 グジャラート大学とシャルマ・センターの共同研究班による調査結果は、Nature誌に掲載される。

 問題となっている石器は、アシュール文化の特徴であるアーモンド型の握斧である。握斧は、およそ170万年前にアフリカから移動を始めたホモ・エレクトスによってアフリカから持ち出されたとされている。

 しかし、アッティランパッカム遺跡から出土した石器7千点を調査した結果、ルヴァロア技法と呼ばれる精巧な中期旧石器時代の加工技術が施されていることが判明した。つまり、38万5千年前のインドに、中期旧石器時代の文化が存在した可能性が出てきたのである。

 ルヴァロア技法が用いられる剥片石器は、ヨーロッパのネアンデルタール人とアフリカの現生人類によって発達したといわれてきたが、アッティランパッカムで出土した遺跡もこれらの同時代のものと考えられている。現生人類がアジアに広がったとされる年代も、この発見により大きくさかのぼることになるかもしれない。

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