川崎重工が環境配慮型のスラグ用竪型CKミルを日鉄住金セメントへ納入

2018年1月16日 06:54

印刷

スラグ用竪型CKミル。(画像:川崎重工業発表資料より)

スラグ用竪型CKミル。(画像:川崎重工業発表資料より)[写真拡大]

 川崎重工は、スラグ用竪型CKミルを北海道室蘭市の日鉄住金セメントへ納入した。環境に配慮したタイプのものである。運転開始は2018年1月を予定している。

【こちらも】川崎重工業と三菱商事、バングラデシュの鉄道整備事業を受注

 竪型CKミルというのは、セメント工場で用いられる粉砕機の一種である。セメントの主原料である石灰石、副原料である粘土、けい石、鉄原料などを乾燥・粉砕したり、原料を焼き固めてできるクリンカというものをセメントの粉末にする仕上げの行程で用いられるものの総称だが、今回納品されたものは、原料のスラグの微粉砕のためのものである。

 なおスラグというのは、日本語では鉱滓(こうさい)とも言い、鉱石から金属を製錬した際に分離した、鉱物成分を含む物質などのことである。もっとも一般的なものは鉄の製錬の際に採れるものである。基本的に副生成物であるので大量に発生し、従って色々な用途が考案されている。

 今回納品されたCKミルは、粉砕部のローラの形状や加圧機構の材質などに改良を加え、震動を大幅に減らし、従来のもの(チューブミルという)に比べて電力消費量が半分で済むというメリットがある。そのため、「Kawasakiグリーン製品」に登録されている。

 このCKミルの導入によるCO2削減効果は、電力消費量の分、そして燃料消費量の削減などによって、総じて、年間で年8,400トンほどになる。

 なお、設計、据え付け、運転技術指導は同社によるものだが、製造は中国CONCHグループとの合弁会社である安徽海螺川崎節能設備製造有限公司(CKM)に委託された。それによって高品質化と導入コスト削減のいずれもが両立されているのである。

 また、同社によるCKミルの納品は、初号機が1985年に作られて以来日本やアジアで類型137の受注実績を数えている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事