【編集長の視点】ソウルドアウトは反落も3Q最高業績、通期業績の上方修正を見直して直近IPO株買いは継続

2017年12月20日 09:53

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ソウルドアウト<6553>(東マ)は、前日19日に29円安の2594円と9営業日ぶりに反落して引けた。同社株は、12月6日につけた直近安値2050円から19日前場高値2675円まで9営業日で600円幅の棒上げをしており、高値で目先の利益を確定する売り物が出た。ただ今年7月17日に新規株式公開(IPO)されたばかりの同社が、早くも今年10月26日に今2017年12月期業績を上方修正した高い成長可能性を見直し、下値には依然として直近IPO株買いが交錯した。テクニカル的にも、今年8月に1731円、同9月に1911円とそれぞれ安値をつけた場面では、その後、IPO時の初値の2113円割れは下げ過ぎとしてそれぞれ短期間で約40%高~50%高の急騰を演じており、なお上値余地があるとして再現期待を高めている。

■市場創出余地の大きい地方ネット広告市場で新規顧客獲得が好調に推移

 同社の今2017年12月期業績は、IPO時予想より売り上げを12億4800万円、利益を200万円~2000万円それぞれ引き上げ、売り上げ115億円(前期比34.5%増)、営業利益7億7000万円(同56.4%増)、経常利益7億6200万円(同54.9%増)、純利益4億9600万円(同69.0%増)と見込み、連続して過去最高業績を更新する。今年10月26日に発表した今期第3四半期(2017年1月~9月期、3Q)累計決算が、前年同期比44.3%増収、2.2倍営業増益、2.1倍経常増益、2.4倍純益増益と大きく続伸し、3Q累計業績としてはもちろん、四半期業績でも過去最高を更新して着地したことから上方修正に踏み切った。

 同社は、全国に展開する21営業拠点をベースに中堅・中小企業向けにインターネット広告のパフォーマンスの向上支援やWebマーケティング専門家の人材教育・紹介、ネット広告の一元管理ツールなどを提供し、顧客企業が自在にネットを駆使して生産性を2倍にして利益を最大化し、10万人の雇用創出することを目指している。顧客基盤は今年4月末で延べ3243社、同社グループ会社のeラーニング研修サービスの受講者ID数は5000ID以上となっており、2016年1月のヤフーとの業務提携効果も加わってさらに新規顧客獲得が好調に推移したことが3Q累計業績の過去最高、今期通期業績の上方修正につながった。

 同社が、ターゲットとしている地方の46道府県合計のインターネット広告市場は現在、1194億円で全体の広告に占める割合は4.4%にとどまっているが、この比率が東京都並みに16%に高まればなお3171億円の市場創出の可能性が観測されており、同市場でシェア10%を占めマーケティング支援企業のトップに位置する同社の成長可能性の高さを窺わせる。今年11月15日にYahoo!Japanの「デジタル人材育成プログラム」にオンサイン教材としてeラーニング「ジッセン!オンライン」の提供を開始したことも、この成長可能性を取り込み、次期2018年12月期業績の続伸要因として注目されている。

■IPO時の初値割れ安値から急伸を繰り返し今度は「半値戻しは全値戻し」を期待

 株価は、今年7月に1200円を公開価格にIPOされ、2113円で初値をつけ上場来高値3200円まで買い進まれる高人気となった。最高値後は、定石通りに地相場模索が続き、上場来安値1731円まで調整したが、初値割れは下げ過ぎとして下げた株ほどよく戻すとする投資セオリーの「リターン・リバーサル」買いが続いた。同上場来安値からは9月1日高値まで約5割高、また北朝鮮情勢緊迫化による地政学リスクでつけた9月6日安値1911円からは10月2日に2640円まで約4割高するなど値動きの軽さを発揮した。今回は、直近安値から約3割高したが、前2回のリターン・リバーサル場面と比べてもなお上値余地を示唆している。足元は、最高値から最安値までの調整幅の半値戻しを超えてスピード調整したものだが、目先売り一巡後にまたまた投資セオリーの「半値戻しは全値戻し」通りに上場来高値奪回に動こう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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