RSテクノ Research Memo(1):成長のための経営施策が順調に進捗中。更なる成長に向けた新技術の動向に注目

2017年12月11日 15:01

印刷

記事提供元:フィスコ


*15:01JST RSテクノ Research Memo(1):成長のための経営施策が順調に進捗中。更なる成長に向けた新技術の動向に注目
要約

RS Technologies<3445>は半導体チップの主要部材であるシリコンウェーハの再生加工を手掛けている。国内と台湾に工場を持ち、両工場がフル稼働時の世界シェアは約30%(メインサイズの12インチウェーハ、生産能力ベース)を超え、世界トップの地位にある。

1. 業績は順調に進捗。2017年12月通期は修正予想を上回る見通し
同社の2017年12月期第3四半期は、売上高7,874百万円(前年同期比25.6%増)、営業利益2,069百万円(同132.3%増)と大幅増収増益で着地した。半導体生産が高水準で推移するなか、再生ウェーハの需給もタイトな状況が続いた。同社は三本木・台南両工場で生産能力を上回る生産を続け、増収増益につなげた。今通期予想については、中間期時点で上方修正されたが、足元の生産状況から判断して、これを上回って着地する可能性が高いと弊社ではみている。

2. 中期成長のための施策は着実に進展。能力増強を判断するステージに入った
中長期の成長に向けた経営方針として同社は5つのポイントを掲げているが、生産能力の拡大やシェア拡大という目標は既に達成されており、生産能力増強を真剣に検討する段階に到達したというのが弊社の考えだ。これに関し、能力増強投資に向けた大きな後押しとなる進捗があった。同社特有の技術とも言える金属除去技術について有力顧客の認定を取得したことだ。これは同社にとって新市場の開拓を意味する重要なステップと言える。

3. 2018年12月期は大きなターニングポイントになる可能性。各施策の進捗に注目
2018年12月期は、生産能力の制約から、収益の成長率が鈍化することも想定される。しかし2018年12月期は次の成長加速に向けたターニングポイントになる可能性があると弊社では考えており、業績よりもそこに注目すべきだと考えている。注目点は、生産能力増強の意思決定、金属除去技術の商業化、適切なスペックでの加工による収益性の改善、M&A戦略などだ。これらに関し2018年12月期に明確な進捗があれば、中長期的な同社の成長性について確信度が一段と高まってくると弊社では考えている。M&A戦略の一環で12月1日に、現地国営企業の「北京有色金属研究総院」との間で合弁会社『北京有研RS半導体材料有限公司』を設立し、現在、北京有色金属研究総院の100%子会社でプライムウェーハ事業を営む『有研半導体材料有限公司』を連結子会社化し、プライムウェーハ事業に参入する。

■Key Points
・生産能力拡大とシェア拡大については目標を達成
・金属除去技術について有力顧客から認定を取得。同社にとって新たな市場が拓けた
・2018年12月期は、次の成長加速へ、中国におけるプライムウェーハ事業が鍵を握る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《MW》

関連記事