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【編集長の視点】セックは反落も東証1部指定替えの好需給とロボット関連材料の高評価が続き逆張り好機
セック<3741>(東1)は、前日19日に61円安の2532円と反落して引けた。同社株は、今年10月11日に年初来高値2774円まで買い進まれスピード調整中で、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、下値は上昇中の25日移動平均線で下ヒゲで確認して下げ渋っており、引き続き買い材料は健在とされ、逆張り好機となりそうだ。その第一の買い材料は好需給ファクターで、同社は、今年9月29日に東証第2部から第1部に指定替えされたばかりで、今後、東証株価指数(TOPIX)に組み入れられ、TOPIX連動型のファンドなどの買い需要が発生する期待されている。次に業績面でも、今年8月8日に発表した今2018年3月期第1四半期(2017年4月~6月期、1Q)業績が、2ケタの増益転換となり第2四半期(2017年4月~9月期、2Q)累計予想業績に対して高利益進捗率を示し、10月6日にはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト」に採択されたことも加わり、業績上ぶれ観測につながっている。
■東証第2部への市場変更からわずか半年で第1部へ指定替えし買い需要が発生
同社株は、今年3月9日にジャスダック市場(スタンダード)から東証第2部への市場変更(変更日3月16日)が承認され、3月21日には同市場変更の記念配当込みで前2017年3月期配当の36円(前々期実績56円、株式分割を勘案すると26円)への増配を発表した。この東証第2部への市場変更からわずか半年後の東証第1部への指定替えであり、今月末にもTOPIXに組み入れられることから、改めて買い需要の現実買いが発生するとして需給好転期待を高めている。
一方、同社の今期1Q業績は、前年同期比4.4%増収、19.1%営業増益、20.6%経常増益、0.8%純益増益と増益転換して着地し、今期2Q累計予想業績に対する利益進捗率は47%~57%と目安の50%を上回った。受注高が、前年同期比33.7%増、受注残高が、同47.0%増と伸び、モバイルネットワーク・ビジネスフィールド(BF)では、スマートフォン端末の開発が減少したが、通信事業者向けのサービス系の開発や車載情報システムの開発が好調に推移し、社会基盤システムBFでの官公庁案件や医療分野の開発増加、宇宙先端システムBFでの車両自動走行の研究開発案件の堅調推移などが加わって好決算につながった。今3月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ45億円(前期比1.7%増)、営業利益5億円(同15.5%増)、経常利益5億2000万円(同14.0%増)、純利益3億6000万円(同14.5%増)と増益転換を見込んでいるが、1Q好決算などから今年11月9日に予定している今期2Q累計決算発表時での業績動向が注目されている。
また、同社は、2003年からロボットソフトウェアの開発を開始しており、NEDOに採択されたプロジェクトでは、レストランやコンビニエンスストアで接客や配膳、陳列などの軽作業を行うロボットの開発を進めることになり、これも業績上ぶれファクターとして浮上してくる。
■分割権利落ち後高値からのスピード調整が一巡し高値抜けから分割落ち埋めを目指す
株価は、昨年9月末に株式分割(1株を2株に分割)の権利を2990円で落とし、落ち後安値1315円から前期業績の一転した上方修正、東証第2部への市場変更・記念増配、さらにロボット関連の共同開発や今期業績の増益転換予想などの好材料が続いて2648円高値まで2.0倍化した。同高値からは、北朝鮮を巡る地政学リスクへの懸念波及で2201円安値に突っ込んだが、東証第1部への指定替え承認で切り返して株式分割権利落ち後高値で年初来高値2774円まで買い進まれスピード調整場面となっている。需給好転の現実買いにロボット関連人気が相乗して高値抜けから株式分割の権利埋めを目指そう。(本紙編主張・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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