関連記事
デジタルなのに現像必要!?不便すぎるカメラアプリ「Gudak Cam」が人気
不便すぎるフォトアプリ「Gudak Cam」はデジタルカメラが失った、アナログカメラのドキドキ感やワクワク感を思い出させてくれる。デジタル時代のアナログの反動。[写真拡大]
便利なデジタルカメラ全盛の時代になり、旧式のフィルムカメラやインスタントカメラの「写ルンです」は衰退し消滅してしまうかと思われたが、アナログ的な良さが見直され人気が再燃している。キレイに撮れて便利なスマホのカメラアプリは各社から多数リリースされている中、不便さを売りにしたカメラアプリが人気になっている。
【こちらも】LINEのカメラアプリ「B612」、世界累計ダウンロード3億件突破
「Gudak Cam」は2016年10月26日に設立されたIT企業Screw Bar(韓国・ソウル)が開発。公式サイトによると17年7月7日にリリース。見た目は実物のカメラに似ているがスマホ用のアプリである。アプリを起動すると、スマホの画面には、米コダック社のインスタントカメラへオマージュを捧げるデザインのインスタントカメラが表示される。このインスタントカメラの画面をタップして写真撮影を行う。画面内に写る「ファインダー」がインスタントカメラさながらの小さなのぞき窓のサイズになっていたり、右下には残り枚数が表示されていたりと、アナログなレイアウトにこだわったデザイン。写真の右下に日付を入れられるなどの機能も搭載。デジタルカメラにはないあたたかい手触りのアナログ感のデザインがあふれている。撮影した写真はデジタルとは程遠い粗い粒子の写真しか撮影できない。
実際にフィルムは使用しないが、フィルムで撮影するという仕様になっていて、これもアナログ感の演出である。フィルム1本につき24枚の写真撮影が可能だが取り直しはできない。その上、撮った写真はその場で確認はできない。撮影した写真を見るには「現像」が必要で3日間も要する。実際にはデジタルデータで撮影しているので現像は不要だが、フィルムカメラの現像の時間を再現している。また、1フィルム24枚撮影終了後、追加で撮影したい時は「フィルムの交換」が必要。交換には1時間もかかるのである。
「レトロ風に撮れててめっちゃおしゃれ」「仕上がりが本当にフィルムみたいでとっても可愛い」との声があり、SNS上でも人気である。スマホやデジカメの普及によって、誰でも簡単にキレイな写真が気軽に取れるようになった。その場で写真を確認ができ何回でも取り直しが可能である。フィルムの残り枚数なんて気にする必要もない。上手な写真を取れる確率は上がったも知れない。しかしながら、便利になったけれどもフィルムカメラのドキドキ感はなくなってしまったのである。
「現像を待つワクワク感」「キレイに取れたかかどうか?ピンぼけしていないか?のドキドキ感」を「Gudak Cam」は思い出させてくれる。フィルムカメラを体験した世代はノスタルジックを感じ、体験していない世代は新鮮さを感じる。失敗できない緊張感、下手クソな写真になってしまった失望感、瞬間を切り取る覚悟。取り直しのできない時間を真剣に切り取るからこそ、その瞬間に写真の価値が高まるのである。自分の感情が自然に写真に焼き付けられる。二度と見たくない失敗した写真も、予想以上に上手く撮れた写真も全てかけがえのない思い出。キレイすぎて完璧なデジタルでは撮影できない人間の全ての感情があふれる。
デジタルの便利さも非常に使い勝手が良いが、アナログならではの「過程を楽しむドキドキ感」「期待を込めて待つワクワク感」はテクノロジーが発展していっても人間にとって必要なのかも知れない。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・IT予算増額、企業の3割を超える
・自動車がさらに進化するかも? ノイズ対策を不要にする、日本のアナログ技術
・iPhoneXが変える、手の中の未来。日本の電子部品企業にも追い風。
・加速する車の「電装化」を牽引する、日本の高い技術力
・トヨタ、カーシェア事業用アプリを開発し、米国ハワイ州で実証実験を開始
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
関連キーワード